更新が遅れている。これは土曜のランチの様子から。
まずは生ビール
この日は伊勢佐木町、横浜橋商店街で買い物の用事があり、ランチは久し振りにこちらで。
前回こちらに来たのは
昨年11月末ということで5カ月ぶりとなる。そして、春に来たのは
昨年の5月上旬までさかのぼり、この時は緊急事態宣言下だったようでノンアルを頼んでいた。当時と比べると感染者数は今の方が多いと思うのだが、なぜか対応が緩い気がする。これは即ち、ウィズ・コロナというやつなんだろうか。
肴三品
13:30過ぎの到着で店はほぼ満席。幸運なことに帰る客が一組あってテーブル席が一つ空いた。
久し振りだったので季節も巡り、おつまみのメニューも春バージョンにすっかり替っていた。蕎麦前に頼んだのは写真の順に、みょうがの梅和え、山芋の磯部揚げ、そして春には必ず頼む春野菜の天ぷら。土臭い茗荷と梅肉の和え物をいただくと早くもビールが枯渇しそうななか、追い打ちをかけるように定番・山芋磯部揚げが熱々で到着。これは堪らぬ・・。最高だ。
小嶋屋に秋に来ると茸の天ぷらが供されて季節感を感じるのだが、春だとこの山菜類の天ぷらが賞味できる。提供期間は長くはなく、私も家内もこれをひたすらに希求する。天ぷらの方はほぼ例年通りで、これも写真の順に新じゃが、そら豆、うるい、タラの芽、こごみ、新筍、春菊、蕗の薹、アスパラ、山独活など。小嶋屋の春野菜天ぷらは言わば歳時記。抜群なのだ。
変わりそば=よもぎ切り
こちらは家内のオーダーで、季節ごとに風味が交代する変わり蕎麦。
春となればやはりこの蓬(よもぎ)を一番粉=更科粉=で打った蕎麦だ。家内は変わり蕎麦を心待ちにしており四季折々の風味は毎回必ず賞味する。今回はむろん蓬。今年の蓬は従前同様良い香り。だが今回特筆すべきはベースの更科粉の風味の良さだ。更科粉は挽き臼から最初に出て来る粉なので外殻の風味は含まれず、従って蕎麦臭は殆どしないのが通例だが、これは香りが凄く良いのだ。
私も少しシェアしていただいたが、ここまで風味の良い更科というのは今まで味わったことはない。一番粉特有の、つまり普通の蕎麦屋で出て来るようなサラっとした淡白でぽきぽきした弱々しい更科蕎麦とは違い、モチモチした強い弾性と噛み応えだ。そう、蕎麦の強い香りと草臭い蓬とがコラボレートしたこの変わり更科蕎麦は空前絶後なのだ。素晴らしいのひとこと。
鴨せいろ
こちらは私のオーダー。
変わり蕎麦は前述の通り更科に季節の菜を練り込んだもの。その更科蕎麦が際立った風味だったので抜き実の挽ぐるみ蕎麦は更に香りが良いのではとの予測が成り立つ。それはさておいて小嶋屋の鴨せいろは実に素朴なのだ。街角の蕎麦屋では色々な工夫がされ、例えばお新香や惣菜の小皿が付いたりと華やかだがこの鴨せいろは、蕎麦を盛った蒸籠、そして鴨汁椀のみだ。
鴨せいろをいただくのは昨夏以来。以前に比べ鴨肉の旨味が強い気がするし本枯節の出汁が若干濃い感じもした。それにもまして挽ぐるみ蕎麦=小嶋屋では「もり」と呼称=の風味、歯応えの秀逸さが際立っている。昨秋の新蕎麦の出来栄えが非常に良かったのだろう。出汁と合鴨、挽ぐるみ蕎麦の美味しさを添え付けの柚子胡椒、刻み葱のみでシンプルに味わう。至福だ。
お店データ
三吉橋 小嶋屋
横浜市南区中村町3-188-9電話:045-261-0391
営業:11:30~15:30、17:00~20:00
定休:月曜
最寄:市営BL阪東橋8分、伊勢佐木長者町11分
京急黄金町13分
クラシック版:今日は何の日?
4月30日は、ロバート・ショウ生誕の日。