Tippett: A Child of Our Time@Colin Davis/LSO & Chorus |
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・ティペット:オラトリオ『われらが時代の子』
インドラ・トーマス(ソプラノ)
藤村実穂子(アルト)
スティーヴ・ダヴィスリム(テノール)
マシュー・ローズ(バス)
ロンドン交響楽団&合唱団
サー・コリン・デイヴィス(指揮)
この重くてやるせない沈痛と、ここに込められた余りにも大きくて矛盾を孕む困難な主題、そして何よりも真摯にして暗く強烈なメッセージ性に支えられた圧倒的な歌唱に打ちのめされてしまうのだ。オケのサポートも盤石で、精緻で破綻のない完璧な演奏だ。そしてソリストもコーラスも不自然に突出したところはなく、悲痛でありながら未来に希望を繋ぐべく詩を訥々と紡ぎ続けるのであった。
コリン・デイヴィスはこの曲を既にBBC響、SKDとともに録音していると言い、そうであればこれが三度目の録音ということになる。歌唱を含む大規模な管弦楽曲においては彼の解釈とリードは際立っていると思う。記憶に残る演奏ではベルリオーズのテ・デウム@SKDがあるが、このCDもそれに通ずる激しくて凄絶な演奏だ。もうこれ以上多くは語らないでおこう。
(録音評)
LSO Liveレーベル、LSO0670、SACDハイブリッド。録音時期:2007年12月16&18日、ロンドン、バービカンホールでのライブ収録。プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン、エンジニア:ジョナサン・ストークス、ニール・ハッチンソン(以上、Classic Sound Ltd.)によるDSD録音。
音質はLSO Liveらしいとても優秀なものなのだが、ゲルのマーラー・チクルスとは少々違っていてバックグラウンド・ノイズが盛大、悪く言えばちょっと猥雑な感じだ。楽器の音はちょっと浮ついた感じで、客を入れたライブにしては残響も多くて散乱気味。ある意味ゲルのシリーズよりも生演奏特有の臨場感が漂う。
再生しているとどんどん音の質が変化してきており、掛けるたびに感じる印象も変わる。もう少しシステムを馴染ませるとまた別の一面を見せ始めるかも知れない。どうやら今後の経過観察が必要のようだ。
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昔はいた気がするのですが
今の人を知らないからかもしれません。
もっとたくさんの声を聞きたいものです。
今日もスマイル