Meredith Monk: impermanence |
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2683974
impermanence~非永久性
・last song
・maybe 1
・little breath
・liminal
・diswquilibrium
・particular dance
・between song
・passage
・maybe 2
・skeleton lines
・slow dissolve
・totentanz
・sweep 1
・rocking
・sweep 2
・mieke's melody #5
メレディス・モンク&ヴォーカル・アンサンブル
アリソン・ニッフィン(ピアノ)
ジョン・ホーレンベック(打楽器)、他
メレディス・モンクとはどういった人物なのかは、ECM研究会のWebサイトに詳しい。
http://members.aol.com/archseminar/ecm-research/artist/monk.html
前衛的な作家であるが、まぁミニマル系と言っても通る作風である。但しこのアルバムに限っては無調性、不定拍子が大部分なので現代音楽の分類でも間違いではないだろう。曲の詳細についてはHMVサイトなどに譲るが、ライフシーンにおける儚い様々な刹那をモンクの鋭い感性で切り取った心象風景が綴られている。
これはオーディオ・マニア必携の名作だ。人の声を楽器の一部と見なした大胆な曲想と構成、更には最小限度のアンサンブル、パーカッションを加えて彼女独特の音楽・詩歌の世界を紡ぎ出しているのだ。そして、その声がどこに出現・定位するかは予測がつかない意表を付いたもで、尚かつその浮遊する声たちが余りにリアルであって、かつ多彩な表情を見せるというのは従来からのボーカルものの規範を完全に覆す超斬新・超前衛的な作品なのだ。
このボーカルは意味のある言葉を含むがそれは単に曲名を表すシンボリックな一言か二言を呪文として唱えるだけであって大いなる意味はない。シャバダバ・・、とかシャラララ・・の様なものと思えばよい。
声や楽器の定位、出現場所に関してはパン、リバーブ、ディレイなどコンソール・ワークを駆使して三次元空間を作り出しているのかと思ったのだが、どうやら基本はアコースティックなパート配置とマイクアレンジにより骨格を定めているようで、ポップスその他に見られる不自然なパニングや不快に廻る音場、膨張した音像は見られないのがまたオーディオ・チェック向けに最適なのだ。これはECMならではの自然なプレゼンスと言えよう。この夏にイチオシのマニア・アイテム。
(録音評)
ECMレーベル、4766391、通常CD、録音は2007年1月7-9日、場所はアヴァター・スタジオ(ニューヨーク)とある。音質は少々硬質で澄み渡った透明な空間が清々しいもの。アンサンブル楽器の瑞々しさも一級品だ。再生に失敗すれば不気味で単なる悪趣味なアルバムと言うことだろうが、成功すれば三次元空間にモンクたちの様々な歌声を幽玄に浮遊させることが出来る。 オーディオマニアにお勧めの一枚だ。
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