Schubert: Mass#6@Corboz/Ensemble Vo & Instr. de Lausanne |
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シューベルト:ミサ第6番 D.950
Schubert Mass No.6 D.950
Kyrie
Gloria
Credo: Credo In Unum Deum
Credo: Et Incarnatus Est
Credo: Et resurrexit
Sanctus
Benedictus
Agnus dei
ブリジット・フルニエ(S)
ジャッキー・カーン(A)
イェルク・デュルミュラー(T)
アンドレアス・カラシアク(T)
ガストン・シスター(B)
ローザンヌ声楽アンサンブル
ローザンヌ室内管弦楽団
ミシェル・コルボ(指揮)
ミシェル・コルボは宗教合唱音楽、即ちミサやレクイエムの指揮者としては現代の第一人者であり、昨今の録音ではやはりMIRAREからリリースされたフォーレのレクイエムを忘れることが出来ない。
シューベルトは生涯に未完稿も含め7曲ないし8曲のミサを書いたとされる。その中で実質、死の直前に書かれた生涯最後の完成稿がこの6番と言うことになる。極めて規模の大きな激烈で壮麗、それでいて内省的かつ儚く美しい旋律・和声にただただ圧倒される作品だ。
コルボ独特の空白の美学(=休符を指揮するかの如くの間合いの妙味)でシューベルトの素朴な旋律ならびに純度の高い和声を解釈するとこうなる、という試みが聴ける興味深い演奏だ。前出のフォーレとは作品のフレーバーが異なるので比較するのは当たらないかもしれないが、言うならばドイツの気質がコルボのエレガントな美学により薄められていつつ、やはりドイツの臭いは消せていないという雰囲気だ。
ソリストは皆、よくコントロールされた仄暗い精密な歌唱、オケもコーラスもコルボの完璧な統制の下、テンポの良いパンチが効いた演奏で、緊迫感が漂う秀逸なサポートだ。爆発的なffも色々な意味で抑制的であるがために鬼気迫る、それでいてどこかもの哀しい空気が漂う。これは例えば、ジュリーニ/バイエンルンのような分かりやすい解釈とは異なり、やはりコルボだ、と言わざるを得ない美学を感じるのだ。久し振りに敬虔な調べを聴いた気がする。
(録音評)
MIRAREレーベル、MIR051、通常CD。録音は2007年10月29、30日(ライヴ、デジタル)とある。音像も空間再現も素晴らしく、大規模コーラスの録音としては完璧だ。
しかし昨日のCDと似た傾向であって、残響も直接音も両方が過多気味に、そして荒れ気味に収録されているため再生は極めて困難ではなかろうか。冒頭から混濁および不協和音との戦いになりそうで、CDPと再生系の解像度が試される一枚だ。装置の調子に自信のない人はチャレンジしない方が身のためだろう。
と、言いつつ我が家では快適に分離&融合しつつ素晴らしい音場空間が拡がっている。再生に成功すれば臨場感溢れる広大なサウンドステージにソリストが一人一人立って叙情豊かにミサを歌い上げるのであった。
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