DP-85 その後 2 |
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尚、この日記にも記しているが、このテラークのCDを試聴用リファレンスとして色々と選定を繰り返した結果、発売間もないDP-70Vの導入に至ったという思い出深い、また因縁のある盤である。
DP-70Vの空間再現力はさすがと言わざるを得ない。とても広いサウンドステージが前後左右に拡がる。アカペラを歌うバックコーラス一人一人の発声が明瞭なビームとなってこちら側に飛来する。但し、ステージの奥行きよりは横方向に並ぶコーラス隊の和声を強く出す傾向。
同じトラックをDP-85で聴く。どうやら、このSACDPで「最初」に掛けるCDはどれもが暈けていて釈然としない。1~2分経過すると急速に視界が開けるという「初物現象」が頻繁に確認されている。
で、立ち上がった後の音であるが、ステージの奥行きはDP-70Vよりもぐっと奥まり、歌手の立ち位置は少し後退はするもののバックコーラス一人一人の発声を明晰に描き分ける。音場空間はDP-70Vに比較して静謐で澄明、ホールのグレードが一気に上がった感じがする。
再度DP-70Vに戻してみる。再現される空間は相変わらず広大なのだが、ホールに充填されている空気の透明度が一段落ちた感じ、要するに靄が掛かった雰囲気なのだ。別の言い方をすると残響が僅かに滲んでいて少し汚い。それとソプラノ歌手のサ行の撥ねがきつく、ピッ!と耳に付き過ぎるビームなのだ。DP-85のビームは、ホール空間を伝播してきて少し減衰したか? と思わせられる本物らしい絶妙なプレゼンスだった。また、全体として抑揚というか強弱の付き方が一本調子で平坦に聞こえるのはどうしたことか・・。
更にDP-85に戻してみる。これまでの傾向と両者の違いを反芻しつつ聴いてみたが、まさにこんな感じでのホール再現は至極妥当であろうとの結論に達した。
(まだ続くかも・・)
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