Grieg: Lyric Pieces@Mie Miki |
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グリーグ:
『ペール・ギュント』~
・アニトラの踊り
・オーゼの死
『25のノルウェーの歌と踊り』~
・春の踊り
・白鳥
・婚礼の調べ
『抒情小曲集』~
・ノルウェーの旋律
・ワルツ
・夜警の歌
・妖精の踊り
・アルバムの綴り
・祖国の歌
・民謡
・ワルツ
・蝶々
・孤独なさすらい人
・故郷にて
・小鳥
・ハリング
・小人の行進
・幻影
・秘密
・郷愁
・感謝
・農夫の歌
・バラード風に
・おばあさんのメヌエット
・ゆりかごで
・昔々
・小妖精
御喜美江(アコーディオン)
ライナーによれば、叙情小曲集の各曲に関してはピアノ用のオリジナル譜を用いているとの事だが俄かには信じ難い。両手でピアノに向かっても演奏が容易な曲は少ないはずで、その曲たちを「ふいご」動作をさせつつ狭い鍵盤を縦になぞらえるアコーディオンという特殊鍵盤楽器で弾き切るというのは更に容易ならざる事ではなかろうか。
日頃から管弦楽やピアノ曲を聴いている私からすればアコーディオンという楽器は余り馴染みがない。せいぜい耳にするのはピアソラのバンドネオン位だ。
しかし、購入以来何度も繰り返し聴いているうちにこの楽器の可能性、いや表現幅の多様性に気が付いてきたのだ。ピアノは鍵盤を一度打ち鳴らしてしまうと後は減衰させるしかコントロールが出来ないのだが、アコーディオンは音符を能動的に持続ないし多彩な減衰方法で操ることが出来るのである。
グリーグのこれらの曲はピアノが原曲であるにも拘らず最初からアコーディオン用に書かれていたのではないかと錯覚するほど美しく、そして朗々と歌うのである。この楽器、いや御喜美江と言う人の演奏技法と歌心にただただ驚くばかりだ。
ジャケット表紙にもなっている蝶々の描写は素晴らしい。また個人的な思い入れだが、幼少期に発表会のお題としてもらったトロルの行進(小人の行進)は新鮮だ。この曲は両手ともにパッセージが速く、そして規則正しいテンポを保つことに難儀した思い出がある。
彼女自身がBlogにこのアルバムの成り立ちを書いているので詳細はこちらを参照のこと。
(録音評)
BISレーベル、CD-1629、通常CD。録音はストックホルム郊外のレナ教会とある。冷涼であってどこまでも透明な音場が拡がる素晴らしい収録だ。残響は大変に美しいが少し硬質だ。アコーディオンという楽器が鉄製リードを振動させて音を出しているというのが実感できるリアルさで、そして奏者の超絶技巧が余すところなく捉えられている。音楽ファンにもオーディオファンにもお勧めしたい一枚だ。
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