Liszt: Transcendental Etudes@小菅優 |
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(国内盤はこちら↓)
Franz Liszt: Etudes d'execution transcendante S139/R2b
Yu Kosuge(Pf)
1. 練習曲第1番ハ長調「前奏曲」
2. 練習曲第2番イ短調
3. 練習曲第3番ヘ長調「風景」
4. 練習曲第4番ニ短調「マゼッパ」
5. 練習曲第5番変ロ長調「鬼火」
6. 練習曲第6番ト短調「幻影」
7. 練習曲第7番変ホ長調「英雄」
8. 練習曲第8番ハ短調「狩り」
9. 練習曲第9番変イ長調「回想」
10. 練習曲第10番ヘ短調
11. 練習曲第11番変ニ長調「夕べの調べ」
12. 練習曲第12番変ロ短調「雪あらし」
過去にピアノをかじった人なら馴染みのある曲だろう。学生最後の頃か社会人一年生だったか、ちょっと前に死んだラーザリ・ベルマンが来日したリサイタル@東京文化のかぶりつきで見聞きして衝撃を受けたのが超絶技巧練習曲のマゼッパと鬼火だった。ピアノからはこんなにも音がいっぱい出る物なのか? と驚嘆した。
超絶技巧はジョルジュ・シフラの名(迷?)演が取り上げられるが、個人的には好きではなく、アンドレ・ワッツとフランス・クリダを愛聴した。
小菅優のこれは驚きだ。パッセージが速くて軽いのである。なんということだ! とにかく巧いし、リストを弾き倒すとはこのことだ。あっという間の12曲で、聴いていて飽きない。何度も何度もリピートで聴いてしまう程に聴き惚れる、吸引力に満ち溢れた演奏だ。
この人の解釈の特徴は、変な解釈をしないことにあるようで、その点ではフランス・クリダに通ずるものがあるが、とにかく慣性質量を感じさせないフェザータッチかつ豪腕の鍵盤捌きが小気味よすぎる。女流と思って舐めてかかると頬をひっぱたかれるので要注意。
(録音評)
ソニー・クラシカル。2002年8月3-6日 シュタットハレ(ドイツ:ブラウンシュヴァイク)におけるDSD録音。音質はまたもやIt's a Sony!だ。
非常に硬質で響きが少ない録音で、DSDというよりか、なぜかPCMっぽいのは不思議なことだ。ただ、過度な感情の入らない小菅優の超絶テクニックにはこの乾いた音調がマッチするのかも知れない。
もう少しHi-Fi調で聴いてみたいものだ。例えばDENON、DECCA、BISあたりの透明感溢れるアコースティックな音で・・。ソニーはやはりSBM20ビット時代の方が音が良かったと思う。
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