Chopin P-Con#1@Argerich, Pollini etc. |
ピアノ協奏曲第1番ホ短調
Concerto pour piano et orchestre No.1 op.11
ショパンはピアノ小曲を沢山書いているし、大規模な曲集も多いのだが、ピアノの詩人と異名を取る彼は意外なことにPコンは生涯で二つしか書いていない(勿論、四楽章形式の交響曲は一つも書いていない)。
この二つは20歳前後と若い頃の作曲で、そののち没するまでは一切書いていない。作曲年代は2番と1番で逆転しており、つまり、この1番がショパン生涯最後のPコンとなる1830年作曲の瑞々しい名曲と言える。
2番よりも完成度が高いと感じらるが、後年や晩年に見られる高い精神性や高難度の作曲技法に支えられた高い完成度の曲とは言えない。若く鮮烈で、驚くようなピアニズムが眩しい。そして華やかに薫るフローラルなカデンツァがその特徴だろう。誰のPコンにも似ていない超人的テクニックを要する明るく独創的なこの曲は、まさにピアニストが書いたPコンと言える。
うーん、誰の演奏もそれぞれに特徴があり良いのだが・・・。やっぱりこれ、メタリック・ショパンだ。
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正確無比なタイミングで振り下ろされる腕はサイボーグ・ピアニスト、ポリーニそのもの。ショパンコンクール優勝直後の録音。端正で淡泊なサラサラしたPコンだが、これはこれであり。淡泊型解釈の最右翼だろう。
劇場型ショパンならこれだ。アルゲリッチ/アバドのこれはポリーニのPコンとは打って変わって激烈な演奏で、まさに若きラテンの血が奔流となって渦巻くのである。私が持っているのは大昔のこれ
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で、リストPコンとバンドルされている。だが、今は物がないらしく、これに移行されているようだ。
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こっちは1番と2番がバンドルされているが、録音年月を見る限り1番の音源は上のと同じ。
(録音評)
ポリーニは1960年、アルゲリッチは1968年の録音。
演奏内容を優先させるとどうしてもオーディオ的には見るべきものが無くなってしまう。こういう選択に迫られる時、つくづく自分は音楽ファンであり、オーディオマニアとしては浅いんだな・・、と思ってしまう。ということで録音評は録音年代からご想像願いたい。