凛正庵 宗由@関内 |
まずは生ビール
こちらに来るのは昨年7月以来だ。
肴二品
久し振りに定番の二品をオーダー。
もっちり半殺しのポテトは歯触りもあり、また柔らかくて自家製マヨも効き、実に美味だ。オリジナルの長芋の磯部揚げも従前と変わらずホクホク、サクサクで青海苔の風味と薄い塩味が実にシンプルで美味しくビールが進み過ぎる。
揚茄子 冷かけ
こちらは家内のオーダー。
蕎麦のメニューの半数ほどは白いテープで目隠しされていた。品目を減らして時短営業をしているそうだ。営業時間が減って客も減り、従前どおりに材料を仕入れていては余って不経済なのだろう。また、厨房の人手という点においても以前からの多品種に対応することが難しいのかもしれない。チョイスの幅は狭まってはいるが、ファンダメンタルな蕎麦は健在だった。
さて、これは家内が好きな冷たいかけ蕎麦。素揚げの茄子を一本丸ごと乗せ、そして多様な山菜がたっぷりと添えられる。丼の底には既に蕎麦汁が仕込んであるので軽く混ぜ返すだけで味は整う。不足の場合には徳利で供される汁を足す。多量に振りかけられた本枯節の薄削りとおろし生姜をぐずぐずしつつ揚げ茄子とともに蕎麦を啜ると至福、と家内の顔に書いてあった。
えび天丼セット
むろん、私はこれをオーダー。一年半ぶりに頼んだ。
以前と全く変わらない姿で登場。大きな赤海老は最高の揚がり具合だ。鱚の天婦羅もほくほくで美味。他には南瓜、蓮根、獅子唐、さつま芋など、多品種が贅沢に載って上から甘辛く粘性のある丼汁がかかっている。シンプルな戸隠の盛り蕎麦が主役だが、かたや丼物としても完成しており、いわばダブルキャスト。細い抜き実の挽ぐるみ蕎麦は鄙びた風情で歯応えも抜群。
久し振りの凛正庵。屋号にある通り凛とした蕎麦を供する実直で美味しい店。種々の困難に直面しているだろうが、なんとかそれに打ち勝ち、是非とも頑張って経営し続けていって欲しいと強く願わざるを得ない。私たちに出来るのは、十二分な対策を講じつつ、必要以上に恐れず、平時に近い経済活動にインボルブすること。それしかできないのだが・・。
お店データ
信州戸隠流古式手打蕎麦 凛正庵 宗由
横浜市中区住吉町2-25 東郷第二ビル1F
電話:045-263-9118
営業:月~金:11:45~14:00、17:00~23:00(LO:22:00)
土曜日:11:30~15:00、17:00~21:00(LO:20:00)
※時短要請のため昼営業は14:00閉店、
夜営業は20:00閉店のようだが要確認
定休:日祝
今日の一曲
2010年はショパン・イヤーでショップもリサイタルもF.Chopin一色の感があった。生誕200年の節目だがそんなに前の作家だったとは信じがたい。音的には近現代と言っても良いくらいアップ・ツー・デート、色褪せた感じはしない。ショパンのPコンはオケが脆弱で、駄作とされる二曲が残されている。個人的にはこれらのPコンはオーケストラ伴奏付きピアノソナタと思っているので特段に変だとは思わないのであるが、世の中的には特殊なポジショニングとされている様だ。
(MusicArena 2010/6/23)