らーめん shigetomi@大倉山 |
元々はヴィーガン料理のシュリ サイラムがあった店舗を居抜きで軽く改装しただけという感じで、およそラーメン屋には見えないカフェ風情。駅から至近ではあるが、周囲は東横沿線特有の瀟洒な住宅街であり非常に閑静だ。
デザイン型板の霞ガラスが嵌め込まれた玄関ドアがお洒落。中に入ると、コンパクトながら落ち着いたウッディ&ホワイティな空間が広がる。高めのカウンタの向こう側が厨房、奥まったところにはテーブル席もあるようだ。店内もまたラーメン屋とは想像できない造作となっている。厨房は店主、フロア係は奥さんと思われる陣容。
口頭で注文するスタイルで券売機はない。メニューのドリンクの欄を確認し、暑かったのでまずは生ビールをオーダー。麺のラインナップはシンプルで、らーめん(醤油、塩)、たっぷり野菜たんめん、特製ちゃーしゅー麺(醤油、塩)、それと、辛口たっぷり野菜たんめん(辛味バージョン)の4種、醤油・塩の別を含めても6種。他にトッピングが数種ある。
ご飯ものは白飯、ちゃーしゅー丼、ちゃーはんの3種。別に貝の時雨煮ごはんの卓上案内もあった。また麺が付かない独立した定食があり、生姜焼き、肉野菜炒め、肉と野菜のピリ辛みそ炒め、ホイコーロー、マーボー豆腐がラインナップ。これらのご飯ないし定食を応用したミニ版(ちゃーしゅー丼、マーボー丼、ビビンバ丼)が+250円でラーメンにセット可能だ。
そんなメニューの中から、家内はたっぷり野菜たんめん(普通バージョン)、私はらーめん(醤油)のミニマーボー丼セット+味玉をオーダー。程なくしてプレモルが到着。厨房からは野菜を炒めるようなジュージューという音が盛んに聞こえてくる。湯麺の野菜を炒めている様子だ。ビールを飲みつつ、卓上やメニューに記された能書き等を読んでみる。
醤油は柴沼醤油醸造製を使っていて、ここがこの店の拘りのようだ。なお柴沼醤油は土浦市の醸造所で農林水産大臣賞を何度も受賞するほど優秀なんだそうだ。写真の通り、スープなどに用いる食材にはこだわりがあり、かつ手間暇を掛けているのが手に取るように伝わってくる。醤油スープは鶏、節系、貝のトリプル、塩には鯛の魚醤を使っているという。
麺は低加水の太ストレートで、がっしり、ぽっくりとした歯応えだ。この太麺が伊勢産の鯛の魚醤を使ったという塩だれによく合うし、高温でざっと炒められた野菜や豚バラから沁みたエキスを僅かに吸収して味が全体に回り、えも言われえぬ優しい食べ心地を演出しているのだ。この湯麺、今まで食べて来た中でも最高位に位置する美味しさ、完成度の高さである。
トッピングは貝割れ、水菜、白髪葱、大判のチャーシューが2枚、後付けした味玉と至ってシンプル。チャーシューは低温加熱調理したと思われるジューシーで柔らかな、それでいて豚本来の旨味を残しつつ噛み応えも確保した出来栄えは秀逸。特製ちゃーしゅー麺なるメニューもあり、これが多量に載るならワシワシと食べてみたいところだ。
味玉は鼈甲色になるまでたれに浸したと思われるトロトロの仕上がりで非常に美味。麺は湯麺とは異り、吟味された繊細な細ストレート、ないし僅かにウェーブした麺だ。この滋味深い多元的な味のスープに合わせるにはこれくらい細い麺の方が持ち上げが良くて好適だ。表面に浮くオイルの助けもあって絡みは良好。但し、麺はダレるのは早く、後半は急速に軟化する。
セットで付け合わせにした麻婆豆腐に関しては普通の出来栄えで、その辺の街中華や家庭内で食べられる日本人向けの甘めの味付けである。実は、豆板醤や豆鼓醤、花椒が効いた陳タイプの麻婆豆腐を想像していたのだが、それだと強烈に主張してくるので、この繊細な醤油らーめんとは喧嘩するかもしれず、寧ろ凡庸な日本向け仕様の方が無難なのかもしれない。
この界隈の淡麗系としてはラーメン星印、らぁめん夢、地球の中華そば、麺や勝治、SHIN、tic,tac、麺屋Mなどが挙げられる。そこへ割って入る格好でshigetomiが彗星のごとく突如登場、といった具合だろうか。近所に選択幅が増えて嬉しい限りだ。
らーめん shigetomi
横浜市港北区大倉山1-2-16
電話:045-543-9226
営業:11:00~14:30、18:00~22:00
定休:日曜、月曜
最寄:東横線 大倉山 1分以内
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫
お越し頂きありがとうございます♪ 2016年8月、今回は出張先ではなく地元のお店のご紹介v^^v 地元、大倉山は今でこそ大倉山記念館や梅林で有名になってきたが、その昔は大倉山ではなく太尾であった地域。 大倉山と言うと札幌大倉山展望台とか、関西の人...... more