新錦江@中華街 |
こんな時には観光客が足を踏み入れないような裏路地のマイナー店に限る。ということで本日は中山路と香港路を結ぶ露地にある広東、上海、四川のマルチ店。中華街でも安くてメニューが多彩なことでは昨今評価が高い。尚、この店は数年おきに屋号が変わるようで、ちょっと前まで杜記の別館だった気がする。
店はお世辞にも綺麗とは言えず、かつ狭い。横長の店舗で、一階は半分以上が厨房で客席は少ない。そして階段を昇った二階が全面客席でこちらの方がメインダイニングらしい。店に入ったら一階のテーブル席で料理人が突っ伏して寝ていた。先客は二階の女性二人の一組のみ、ということで暇だったのだ。表通りの喧騒が嘘のような静けさ。
まずは生ビールをオーダー。豊富なメニューから選んだのは四川コースで一人当たり1800円。内容は結構充実していて、順にあげると、四川風蒸し地鶏の冷菜、くらげ、海老チリ、四川風の牛肉煮込、麻婆豆腐、四川風水餃子、四川風牛肉入り炒飯、酸辣湯、そしてデザートとして杏仁豆腐と、合計九品という本格的な内容で飲茶を超えている。
オーダーが通るやいなや厨房が俄然活気付き、包丁で材料をバンバンと切る音、じゅるじゅると油が煮える音、ちゃかちゃかと中華鍋を煽る音が響き渡る。客がいないためか料理が出るのは至極速い。写真の通りの順序で矢継ぎ早に料理が仕上がって給仕される。目の前が厨房だけに熱々の調理したてがそのまま速攻で出されるという次第。
いちいち詳細なコメントはしないが特記事項を以下に順に記しておく。蒸し地鶏は普通に美味しい鶏だが味付けは辛く、塩分は控えめ。くらげは硬めの細目でしゃきっとした食感だが唐辛子で和えてあってかなり辛く、付け合わせの胡瓜と人参が甘酸っぱい。海老チリは普通に甘くて美味しいと思ったが辛みが後から大挙して追いかけてくるタイプ。
牛肉煮込みは塩分はそれなりに強いが丁度良い感じで、当然に辛みと八角の香りは凄く、不用意に口に運ぶと咽る。牛肉自体は柔らかくて風味も良く美味しい。麻婆豆腐は正統的な四川の陳タイプで、本格的な麻辣(辛味、痺れ)は申し分のない出来栄え。水餃子は唯一辛くはない料理だが、提供されたつけ汁が超辛い辣油なので危うく咽るところ。
チャーハンには細切りの牛肉ロースが入っていて、その甘味がご飯に移り秀逸。但し、唐辛子粉末か辛口の豆板醤を混ぜて炒めているらしく辛さは半端ない。しかし、これに本格麻辣の麻婆豆腐を添えて頂くと至福だ。これは中華街広しといえどもかなり良い出来栄え。酸辣湯はかなり酸っぱいタイプだ野菜や茸、豚肉などの具沢山で滋味が強い。
最後に甘目でジューシーな杏仁豆腐が出てコースは終了。これで1800円ならオーダーバイキングにも引けを取らない種類と分量で至極満足。何よりクォリティが本格的に高くて驚くばかりだ。マルチ・メニュー店ではあるが四川の専門店と優劣はつけられない。むしろこの店の方が下手な四川よりかは断然旨いのだ。裏路地のマイナー店、恐るべし。
新錦江
横浜市中区山下町146
電話:050-5590-4651(予約専用)
045-663-1696(問い合わせ専用)
営業:平日:11:30~15:00、17:00~23:30
土日祝:11:30~23:30
定休:無休
最寄:MM21線 元町・中華街 6分
JR石川町 10分
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