海へ@札幌 |
最初の構想では札幌最後の夜となる晩ご飯はそれなりのグレードの割烹か、あるいは鮨関係を考えていた。ところが調べが甘かったようで、本物の料理を出すそれなりの格式の店ほど日曜は休みなのだ。東京の繁華街で日曜に休む店はほぼ皆無だろうが札幌ではきちんとした店ほど日曜は休みということらしい。なるほど。
どうするか思案したが、ここは一転して札幌の庶民が良く行くであろう駅周辺の店を訪れることに。これまで地下街の通路を経由してホテルと駅を往復した途上に、いかにもフランチャイズという風情の居酒屋があり、昨晩は遅くまで賑わっていたのを頭の片隅に記憶していた。勤め人が仕事上りの帰宅途上で一杯やる店らしいのだ。
調べたら全国規模の大手外食チェーンであるコロワイドの経営とある。それ幸いと向かうことに。さすがに日曜だと通常のサラリーマンの姿は殆どなくて閑散としているが、奥の一角では日曜も仕事で走り回っていた営業職と思しき一群が出来上がりつつあり気勢を上げている。この雰囲気で札幌ではどんな料理が出るのであろうか。
通されたボックス席の周りは全て空席で静か。店の女性スタッフは和装で統一されており非常に若くて朴訥な感じ。おそらく学生アルバイトの類だろう。店の常勤スタッフと思しき女性は相応のリーダーシップを発揮してあれこれと指示を飛ばしているが、それは数名。体を動かして接客しているのは殆どがバイト学生だろう。
結論から言うと、札幌の居酒屋が出す料理のレベルは高い。写真にあるようにオーダーしていったのであるが、いずれも使用食材が新鮮、かつ量的にもリーズナブルで女性だけで来ても過度な満腹感を与えないようにとの工夫かもしれない。しかし、男性には少々物足りないものがあるかもしれないが。
まずはビールだが、サッポロビールが幅を利かせる札幌では珍しくアサヒ・スーパードライ。そして突き出しは凝っていてトウモロコシを擂り卸して作ったという卵豆腐のような一品。枝豆、次いで、疲れていたせいか卵が食べたくて厚焼きを頼んだ。突き出しをあてにビールを飲んでいたら枝豆、厚焼きが到着。後の料理を注文した。
写真の順に、刺身の盛り合わせ(=中身については写真を参照のこと)、焼いたシシャモ、ビールが終わったのでウィスキーの余市のハイボールと日本酒、帆立のバター焼き、鰈の唐揚げ、牛タンと牛ロースのステーキ、その他、撮影を失念した数品を頼んだ。因みに日本酒の品揃えは北海道の地酒中心で辛口度数がメニューに明記。
辛いとか甘いとかが事前にわかるととても嬉しい。結局、旭川の地酒である国士無双、男山があったので冷でその順序にて頼んだ。そうしたところ独特の徳利と受け皿、猪口が運ばれてそこへ一升瓶から直接注がれるという趣向。要は、升にガラスコップがセットされ、溢れるまでなみなみ注ぐというあれと基本は同じ仕組み。
色々と頼んだのだが、カンフタブルで落ち着ける雰囲気だったためかサーブされる先から料理に手を付けてしまい写真を撮り損ねた。これらの料理の盛り付けは純朴で、使われている食器は大衆的なもの。見た目にはお世辞にも美しく繊細とは言えないが、結論的にいうと、実に手堅く美味しい料理を食わせる居酒屋であった。
普段はサラリーマンでごった返すというこの店は、札幌駅の地下街の外れに位置する。常連客は北海道庁の役人が多いという話をスタッフから聞いた。確かに値段はリーズナブルな割には味は良くてアルコール類の値もそれほどではない。フランチャイズというのはこの際あまり参考にはならない評価項目だ。札幌の食い物は旨い。
海へ APIA(アピア)店
札幌市中央区北5条西4丁目 札幌駅南口広場B1F
電話: 050-5834-4175
営業: 昼:10:00~16:00
夜:16:00~23:00(LO:22:30)
定休: 無休
最寄: JR札幌 2分、地下鉄南北線さっぽろ 1分、
地下鉄東豊線さっぽろ 4分
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