34 Festival International de Piano de La Roque d'Antheron 2014 - Piano Sous Les Platanes |
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34 Festival International de Piano de La Roque d'Antheron 2014
- Piano Sous Les Platanes
01 Soler: Sonate en Mi Mineur No.129, R.451 / Luis Fernando Perez
02 Bach: Prélude en Mi Bémol Mineur, BWV853 / Zhu Xiao-Mei
03 Couperin: Les Baricades Mistérieuses / Iddo Bar-Shai
04 Mozart: Sonate en ut mineur, K.457:II.Adagio / Anne Queffelec
05 Beethoven: Sonate No.17 Op.31-2 "La Tempête":II.Allegretto
/ Abdel Rahman El Bacha
06 Liszt: L'Oiseau Prophète / Matan Porat
07 Liszt: Années De Pèlerinage, S.160:IV.Au bord d'une source / Nicholas Angelich
08 Schumann: Sonate No.1 en Fa Dièse Mineur,Op.11:II.Aria / Adam Laloum
09 Chopin: Prélude en Ré Bémol Majeur No.15, Op.28 / Philippe Giusiano
10 Rachmaninoff: Prélude en Sol Dièse Mineur No.12,Op.32 / Boris Berezovsky
11 Tschaikovsky: Douze morceaux, Op.40:VIII.Valse / Boris Berezovsky
12 Rachmaninoff: Daisies No.3,Op.38 / Claire-Marie Le Guay
13 Bizet: Jeux d'Enfants, Op.22:IV.Petit Mari,Petite Femme
/ Claire Desert;Emmanuel Strosser
14 Debussy: Suite Bergamasque, L.75: III.Clair De Lune / Anne Queffelec
15 Ravel: Gaspard de la Nuit:I.Ondine / Jean-Frederic Neuburger
16 Ginastera: Danza de la mozo donosa / Shani Diluka
17 Gershwin: Trois préludes:II.Andante con moto e poco rubato / Jean-Francois Heisser
18 Hahn: Hivernale / Anne Queffelec
34回 ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァル2014 公式CD
~プラタナスの木の下に佇むピアノ
1. ソレル:ソナタ ホ短調第129番R.451 / ルイ・フェルナンド・ペレス
2. J.S.バッハ:前奏曲 変ロ短調BWV853 / シュ・シャオメイ
3. クープラン:神秘のバリケード / イド・バル=シャイ
4. モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ短調K.457 / アンヌ・ケフェレック
5. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31-2テンペスト3楽章
/ アブデル・ラーマン・エル=バシャ
6. シューマン:予言の鳥 / マタン・ポラト
7. リスト:巡礼の年第1年~泉のほとりで / ニコラ・アンゲリッシュ
8. シューマン:ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調作品11 / アダム・ラルーム
9. ショパン:前奏曲 変ニ長調「雨だれ」作品28-15 / フィリップ・ジュジアーノ
10. ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調作品32-12 / ボリス・ベレゾフスキー
11. チャイコフスキー:中程度の12の小品 作品40-8 / ボリス・ベレゾフスキー
12. ラフマニノフ:ひなぎく作品40-8 / クレール=マリ・ルゲ
13. ビゼー:子供の遊び作品22「小さい旦那様、小さい奥様」
/ クレール・デゼール&エマニュエル・シュトロッセ
14. ドビュッシー:月の光 / アンヌ・ケフェレック
15. ラヴェル:夜のガスパール~オンディーヌ / ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
16. ヒナステラ:優雅な乙女の踊り / シャニ・デュリカ
17. ガーシュイン:3つの前奏曲 / ジャン=フランソワ・エッセール
18. アーン:冬 / アンヌ・ケフェレック
南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロンで、1981年より開催されている国際ピアノ・フェスティヴァル。地元の村長ポール・オノラティニと、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭のプロデューサーとしても知られるルネ・マルタンによって創設されました。2014年に34回目を迎え、世界中から集まった音楽家たちが、プラタナスの木が茂る野外ホールでコンサートを行います。このアルバムは、フェスティヴァルの常連のMIRAREアーティストによるコンピレーションCDです。
(キングインターナショナル)
今年のこの公式アルバムの出来栄えは素晴らしい。いつものベテラン常連陣に加え、割と新顔のピアニストの出来も素晴らしい。どれも素晴らしい演奏で、いちいち取り上げていると非常に長くなってしまうのでいくつか掻い摘む。アブデル・ラーマン・エル=バシャのテンペストは抑制的でありながら重量感があり、そして描き込みも丹念、求道的と言ってしまえば陳腐だが、なかなかに堂に入ったベートーヴェンは出色だ。昨今露出が増えているニコラ・アンゲリッシュのリスト:巡礼の年は充実そのもので大胆で伸びやか、かつ思索的なリスト後期作品の特徴と気風を絶妙にグリップしている。ショパンの雨だれを弾くフィリップ・ジュジアーノの軽妙な和声センスと美しいキータッチは垂涎もので音数も多く通常は聴こえないような旋律ラインが見え隠れする。これくらいじょうずにショパンが弾ければ人生は薔薇色だろう。
勿論、常連陣も負けてはいない。ベレゾフスキーの母国作家であるラフとチャイは圧巻のひとこと。ただ単にパワーに依存することなく、情感の頻繁な出し入れによる深い彫り込みが特徴的かつエキゾチックな出来栄えになっている。このところベレゾフスキーのタッチは少し軽めに変化しているようで、軽妙さについても彼の美点となり得ているのだ。そしてモーツァルトのPソナタK457におけるケフェレックの優美で流麗なタッチには溜息が出る。どうすればこんなにパリジャン的な雰囲気がむんむん醸せるのであろうか。単に譜面に刻まれた音たちを辿るだけだと陳腐なモーツァルトになってしまうところ、ちょっとした何かが奏効するとこういったセンスのモーツァルトに化けるのである。そして月の光、最後尾のアーンの冬における精神の飛翔感がケフェレックの白眉であり、こういった演奏を聴くだけで気持ちの全てが幸せになってしまうのだ。
勿論、個々には取り上げないがルゲ、デゼール&シュトロッセ、シャニ・ディリュカ、ヌーブルジェ、バル=シャイらの演奏も格別に素晴らしいことは言うまでもない。
(録音評)
MIRARE MIR259、通常CD。録音に関するデータは一切ない。恐らく、音楽祭シーズンに先駆け、出演者とプログラムが決定したところから少しずつスタジオ録りしていったのであろう。それぞれ違うタイミングでの収録だったはずだが音質は驚くほど均質で優秀。フェザータッチでフローラルなスタインウェイやベヒシュタインが理想的な音を奏でている。録音ベニューのアンビエントもかなり優秀で、静かで深々としたサウンドステージが素晴らしいの一言。
昨今、音楽仲間からは常用しているAccuphase DP-85の音質が陳腐化している旨のご指摘を受けてはいて、自分もそういった危惧の念を半年ほど前から抱いていただけにどきっとしたのだが、実際にはこのような優秀録音に接するにつけ、これを凌駕するDACなりCDPなりはそうそう探し出せないだろうと思い返している昨今。しかし、いつの間にか新しいギアがラックに収まっている近未来も描けないわけではない、という微妙な状況なのだが。
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