福臨門@六角橋 |
この店は随分前からここで営業をしている地元で評判の中華屋。家内はご近所の奥様方とは何度か食事会で利用しているそうだが、私は初めてだ。今はないが、この店の隣にメリオールという軽食が美味しい洋酒主体のパブスナックがあってよく来ていて、その頃からこの隣の中華屋の存在は気にはなっていたもの。
店に入るとフロアは広々していて開放的で、造作は重厚で割と本格的な中華料理店であることがわかる。2階にも席があるらしく、この日は団体の宴席が設けられていた模様で賑やかだった。そんなこんなで厨房もフロア係も忙しそうだった。まずは生ビールを頼んでから四川も広東も本格的な品揃えのメニューを眺めるが、目移りしてなかなか絞れない。
そんな中からビールに合いそうな海老入り大葉巻き揚げを最初に頼む。そして焼き大根餅、蒸し小籠包も追加。メインディッシュにはシェアする前提で陳麻婆豆腐と什錦炒飯(五目チャーハン)。麻婆豆腐に関しては壁に貼ってあるカラーのポスターのコメントに「本格的で極めて辛い四川風」とあり、写真もなるほど真っ赤で本場風だったことから選んでみた。
待つこと暫し、巻き揚げが到着。思った以上に太くて大振り、そして量的にも8本と二人でシェアするにしてもたっぷりだ。この料理、立派な海老を大葉で巻いてから春巻皮で包んでからりと素揚げにしたもの。ほくほくで熱く表面はパリパリ、中の海老は紫蘇の爽やかな風味とともにぷりぷりな食感が良い。軽く下味が付いているので醤油等は添加する必要はない。
大根餅は一般的なものよりもにゅわっとしたゼリー感が少なく、粒っぽいというか、ハッシュド・ポテトに似た食感。干し蝦が大きめの粒でそのまま多量に入っており、風味は良くてビールの友には好適。小籠包は小型蒸籠で蒸し上げ状態でサーブ。肉がみっしりと詰まった甘めで重厚な餡は本格的。但し、噛みついた瞬間に中のジュースが飛び出るという流行のスタイルではない。
そして陳麻婆豆腐が登場。見た目に鮮やかな辣油と挽肉の海に浮かぶ細かく刻んだ白い絹ごし豆腐が印象的な一品で丁寧な仕上げだ。味は標榜どおり本格的であり、麻も辣も良く出ており、特に花椒が強く効いている。上等な挽肉の味を更に引き立てる深い滋味の豆鼓、適度な塩分と共に旨みを供給する卑県(ピーシェン)豆板醤の絶妙なマリアージュに至極納得してしまう。
この真っ赤で旨い絶品麻婆をぱらぱらに仕上がった上等の什錦炒飯にぶっかけて食うのだから旨くないはずがないのだ。結構辛くて痺れるのであるが、滋味の方もこれに負けず強烈に効いていて、舌があらゆる刺激と旨み成分に支配・占拠される。この幸福感に包まれながら、思わずばくばくと掻き込んでしまうのであった。気付いたら二人で全部平らげていた。
ここの麻婆豆腐は絶品で、中華街の一流四川と対等に伍している。それもそのはず、中華街の景珍楼と同一経営とのこと。ここの麻婆は景徳鎮や熊猫飯店の暴力的な麻よりは少し温厚で、辣は重慶飯店よりも少し強く、バランス的には京華楼に近いものがある。中華街まで行かなくても本格四川が六角橋で頂けるということを今更ながら発見したのであった。
福臨門
横浜市神奈川区斎藤分町3-6
電話: 045-481-8883
営業: 月~金:11:00~15:00、17:00~24:00
土日祝:11:00~24:00
定休: 無休
最寄: 東横線 白楽7分、東白楽8分
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