鶴亀@大倉山 |
この店は神奈川税務署まで徒歩で行く時に通過する場所にあるので土地勘はあった。しかし昨今では確定申告はWebで出来るようになったので税務署へ出向く機会は皆無となり、この辺りの住宅街を歩くのは久し振り。大倉山駅を降りてエルム通り商店街に入り最初の路地を左に曲がって真っ直ぐ突き当たるまで進む。途中から車も入れない細い路地となるが気にせず進む。
突き当ったらちょっと広い道に出るので右へ30メートルほど進むと変形Y字路があって、その先には市立大綱小学校がある。
店はその変形交差点の角の三角地面にある。その土地の頂点には小さな祠が建っているので目印となる。
店のいでたちはシンプルで質素なもので、幟や提灯がなければラーメン屋とは感付かないかもしれない。扉を開けて入るとカウンタだけの小さな店であり、厨房に爽やかな店主一人。先客はなし。サービスですと言われて出てきたのが茹卵。
壁のメニューには熟成醤油ラーメン680円の表示とトッピング数種だけという分かりやすさだ。つまりメインのラーメンは一種類だけで勝負しているということ。空腹だったので大盛りで頼んだ。茹卵を剥きつつ暫し待つ。
店主は麺茹で開始と共にスープの調理にとりかかる。どうやら仕込みが出来上がっているスープを一杯ずつ中華鍋に取り分けて他の素材とともに加熱、仕上げを行っている模様である。程なく麺も茹で上がりトッピングを施して完成。カウンタ越しに、熱いです!との掛け声とともにサーブされる。黒々したスープ表面には油膜が張っていて確かに下は熱そうである。
あらかじめ剥いておいた茹卵をスープに半分沈めてから一掬い飲んでみる。真っ黒いスープは西町大喜(富山ブラック)を連想させられるが、実際には塩分は濃くはない。動物系のじんわり穏やかな旨み、僅かな生姜風味が口中に拡がる。それに揚げ葱か玉葱の香ばしさが加わって上品な風味、またどこか懐かしさを感じるもの。これが熟成醤油が醸す旨みと風味なのであろう。
麺は菅野らしいが特注とのこと。少しウェーブした中細麺で粒々が見える。なんでも全粒粉を使っているそうだ。時間経過とともにスープを適度に吸って黒く色付くし少々伸びても来るけれども麺自体の旨みは変わらない。デフォルト・トッピングされているバラ部位のチャーシューは非常に旨い。柔らかくてほろほろ、ジューシーだけれども繊維質も辛うじて残している。
このチャーシューだが、豚本来の肉々しい甘みと溶けてじわりと沁みる脂の甘みが調和して堪らないのだ。ゆっくりと煮込んだ後に表面加熱して旨みを閉じ込めている様子であってとても良い出来だ。茹卵を割ってみたら黄身は半熟よりちょっと硬めの仕上がりで塩分は付いていない。だがスープの塩分を吸って非常に美味い。太くて風味の良いメンマは上質でこりこり感が秀逸。
気が付くと丼のスープを飲み干していた。丼の底には生姜、揚げ玉葱、それとエノキの切れ端のようなものが残留していた。中華鍋でスープを最終仕上げする際に添加しているのかもしれない。店名の「古式」が意味するところは明確にはわからなかったけれども、シンプルかつ非常に旨いラーメンであった。また是非再訪したい。
古式ラーメン 鶴亀
横浜市港北区大豆戸町1038
電話: 非公開
営業: 11:45~15:00、18:00~23:00
定休: 無休
最寄: 東急東横線 大倉山7分
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