Orff: Carmina Burana@Hans Graf/LPO & Choir |
http://tower.jp/item/3452097
Orff: Carmina Burana
Fortuna Imperatrix Mundi (Fortune, Empress of the World)
1. O Fortuna
2. Fortune plango vulnera
I. Primo vere (In Springtime)
3. Veris leta facies (No strings & only a small chorus)
4. Omnia sol temperat
5. Ecce gratum
Uf dem anger (On the Lawn)
6. Tanz
7. Floret silva nobilis (Small & large choruses)
8. Chramer, gip die varwe mir (Small & large choruses) [German]
9. Reie [German]
10. Were diu werlt alle min [German]
II. In Taberna (In the Tavern)
11. Estuans interius
12. Olim lacus colueram (No violins used)
13. Ego sum abbas (Only percussion & brass with chorus)
14. In taberna quando sumus
III. Cour d'amours (The Court of Love)
15. Amor volat undique (Boys chorus with soprano)
16. Dies, nox et omnia
17. Stetit puella
18. Circa mea pectora
19. Si puer cum puellula
20. Veni, veni, venias (Double chorus with 2 Pfs & 6 percussions)
21. In truitina
22. Tempus est iocundum (2 Pfs, percussion & all vocals except tenor)
23. Dulcissime
Blanziflor et Helena (Blanziflor and Helena)
24. Ave formosissima (Three glockenspiels with independent parts)
Fortuna Imperatrix Mundi (Fortune, Empress of the World)
25. O Fortuna (Fortune, Empress of the World)
Sarah Tynan (Sop)
Andrew Kennedy (Tenor)
Rodion Pogossov (Baritone)
London Philharmonic Orchestra & Choir
Trinity Boys Choir
Hans Graf(Cond)
カール・オルフ: カルミナ・ブラーナ
《全世界の支配者なる運命の女神》
1.おお、運命の女神よ
2.運命の女神の痛手を
《第1部: 初春に》
3.春の愉しい面ざしが
4.万物を太陽は整えおさめる
5.見よ、今は楽しい
《芝生の上で》
6.踊り
7.森は花咲き繁る
8.小間物屋さん、色紅を下さい
9.円舞曲: ここで輪を描いて回るもの
10.たとえこの世界がみな
《第2部: 酒場で》
11.胸のうちは、抑えようもない
12.昔は湖に住まっていた
13.わしは僧院長さまだぞ
14.酒場に私がいるときにゃ
《第3部: 愛の誘い》
15.愛神はどこもかしこも飛び回る
16.昼間も夜も、何もかもが
17.少女が立っていた
18.私の胸をめぐっては
19.もし若者が乙女と一緒に
20.おいで、おいで、さあきておくれ
21.天秤棒に心をかけて
22.今こそ愉悦の季節
23.とても、いとしいお方
《白い花とヘレナ》
24.アヴェ、この上なく姿美しい女
《全世界の支配者なる運命の女神》
25.おお、運命の女神
サラ・タイナン(ソプラノ)
アンドリュー・ケネディ(テノール)
ロディオン・ポゴソフ(バリトン)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
トリニティ少年合唱団
ハンス・グラーフ(指揮)
ちゃんとしたCDではないというと失礼かもしれないが、手元にはマリン・オルソップ指揮ボーンマスSOのNAXOS盤がある。これはこれでリリース当初は衝撃を受けたし、世界的にもヒットした録音の一枚といえよう。
カルミナ・ブラーナについてWikiには次のような解説がある。
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19世紀初めにドイツ南部、バイエルン選帝侯領にあるベネディクト会のボイレン修道院(ベネディクトボイエルン: Benediktbeuern)で発見された詩歌集であり、カール・オルフがこれに基づいて作曲した同名の世俗カンタータ。カール・オルフのカルミナ・ブラーナは、舞台形式によるカンタータであり、『楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱の為の世俗的歌曲 (Cantiones profanæ cantoribus et choris cantandæ comitantibus instrumentis atque imaginibus magicis,英訳例:Secular songs for singers and choruses to be sung together with instruments and magic images)』という副題が付いている。
オルフは前記の詩歌集から24篇を選び(内1曲はオルフの自作)、曲を付けた。「初春に」「酒場で」「愛の誘い」の3部から成り、その前後に序とエピローグがつく。1936年に完成し、翌1937年7月8日にフランクフルトのフランクフルト歌劇場で初演され。全世界に名前を知られるようになった。
混声合唱、少年合唱、ソプラノ・テノール・バリトンのソリスト、大規模なオーケストラという大きな編成である。酒や男女の睦み合いなどを歌った詞に、シンプルな和音及び強烈なリズムが特徴。20世紀を代表する楽曲である。歌詞は主にラテン語であるが、ドイツ式、イタリア式といった発音に関してはオルフは特にこだわっておらず、両方で演奏されている(一部の歌詞は中高ドイツ語や古フランス語が用いられている)。
なお、副題にあるように本来は独唱者、バレエが音楽を象徴的に表現する舞台作品であり、バレエによる舞踊を伴わない演奏会形式は略式の演奏となる。しばしば歌劇場ではバレエを伴って舞台上演される。
オルフは後に『カトゥーリ・カルミナ(英語版、ドイツ語版、イタリア語版)』(1943年)、『アフロディーテの勝利(英語版、ドイツ語版)』(1950年 - 1951年)を書き上げ、これらを3部作『トリオンフィ』(Trionfi、勝利)としてまとめることになる。
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この作品についてはあまり詳しくはないので多くは語れないのであるが、この演奏はオルソップ指揮の演奏とは随分と違った印象を持った。タイトで抑制的、そして膨満感が一切みられないマッシブな解釈だ。スコアによればオラトリオ的な派手なシーンが途中にいっぱいあるのだが、それらも禁欲的に静かに綴っていて、爆発的なメンタリティは殆ど感じられない演奏だ。
ではつまらないかと言われると、そんなことはなくて、森閑とした静寂の中から湧き上がる秘めたるエナジー感というか、漆黒の闇から突然にふわりと出現する音楽要素というか、なんとも瞑想的かつクールな解釈と演奏なのだ。テンポはオルソップ版よりかは少し速足だが、描き込みは寧ろ細密で暴れがない。
冒頭と末尾に配されるフォルトゥナ(O Fortuna)があまりに有名であり、TV-CMや番組の背景音楽(「ほこ×たて」が記憶に残る)、効果音、またゲーム背景音、プロレスなどスポーツ選手の出囃子など、多岐に渡って使われている。このように多用されているのは他にはツァラツストラ、展覧会の絵、惑星(木星)くらいだろうか。しかし、フォルトゥナ以外の声楽部は殆ど聴かれていないのが現状ではなかろうか。フォルトゥナが扇情的で世紀末的・中世的・闘争的なメロディであるのに対し、第1~3部のそれぞれのストーリー展開と歌い込みはちょっと地味ながら丹念で効果がよく計算されている。
この盤は、2013年度のロイヤルフェスティバルホールにおける音楽フェスティバル「The Rest Is Noise」の一部を収録したもの。尚、このフェスティバルは一年を通じてロングランで開催されている大規模なもので、20世紀における音楽と国家、世相、政治、精神、戦争、文化などとの関係性を解き明かしていこうという試みだそうで、詳しくはこのサイトを参照のこと。元々はアメリカの音楽評論家Alex Rossの同名の著書「The Rest Is Noise」にインスパイアされて始まったと聞いている。
指揮はHans Grafで、ヒューストン交響楽団の音楽監督。また、ソリストはSarah Tynan (Sop)、Andrew Kennedy (Tenor)、Rodion Pogossov (Baritone)といずれも超一流どころとのこと。
(録音評)
LPO、LPO-0076、通常CD。録音は Southbank Centre’s Royal Festival Hall, London、2013年4月6日。録音担当や機材のクレジットはない。音質は艶消しの超高解像度録音でS/Nが飛び抜けて高く、かつ、ライブながら会場ノイズはほぼ皆無という優秀さ。器楽構成は非常に大きなものであるが、その全体像をすっぽりと捉えており、破綻や飽和も見られない。極小音量から最大音量までのダイナミックレンジは極めて広大だ。カルミナ・ブラーナの演奏面からみて、また録音品質からみてもリファレンスとして相応しい内容と思う。なお、等身大のグランカッサの衝撃波を体いっぱいで浴びたいというパーカッション・フェチの人には超お薦めだ。
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