豚そば秀吉@横浜 |
この店は二郎系にしては垢抜けた作りとシステムだ。第一に店舗内が綺麗すぎる。脂ギトギトで薄汚れ、活気だけが取り柄のような二郎系列にしては珍しい店舗設計だ。第二に注文方法が普通と違ってる。客が列の後尾あたりに並ぶとスタッフが目敏く見つけて店から出て来てまだ注文を受けていない客に食券を買うよう促す。あれこれ悩んで食券を手にして戻るとそこで細かな好みを聴いてメモして厨房に逐一伝える。つまり、通常よく見られる、カウンタに着席して暫くしてかかる「葫入れますか」コールがないシステム。恐らく、カウンタ以外のテーブル席も多いので着席コールが成り立たないと見てこのような丁寧な対応を行っているものと思われる。
我々の順番が来て促されて食券を買いに行く。ここは小ラーメンというのがない。ノーマルと大という刻みになる。あとは普通の二郎系と同様か。大体は小ラーメンでも凄まじい量で食べきれないのでノーマル+茹卵を買い列に戻り、注文取りに来た青年に伝えたのは葫と野菜少な目。列は短いが回転はかなり遅く待ち時間はそれなりとなった。店の一番奥のボックス席に案内され、4人掛けに2人でゆったりと腰かけた。すると待ち時間は殆どなくてオーダー品が出てくる。
思った以上に小振り、というか普通のラーメン屋の普通盛りと同じくらいの量だ。つまり二郎系としては異例に量は少ない盛りなのだ。野菜を少な目としたことから、お慰み程度のもやしが丼トップから顔を出している程度であり、これならば普通人も違和感なく頂けるだろう。そこに多めの刻み葫が添えられているので、スープと混ぜながら頂くと葫の辛みと少しの苦みが冴えわたり良い感じなのだ。但し、食後にはブレスケアを忘れず服用したいものだが。
ちょっと意外だったのが豚、つまりチャーシューだが、直径が5センチ程度のものが一枚だけ申し訳なさそうに添えられている。豚そば、または「豚(三枚)」という追加トッピングを購入すべきだったかもしれないとこの瞬間に少し後悔した。二郎系の快感はなんといっても豚と呼ばれるワイルドなチャーシューにあるのにノーマルでこれだとちょっと期待はずれかもしれない。
しかし、通常の二郎系で豚をフルに追加すると悲惨なことになるので予防した結果がこれだと読みが外れたと言わざるを得ないだろう。まぁ、洗練された店舗デザインからして、そういったメニュー状況は読み取るべきだったのであろう。スープだが、適度に乳化した動物系のこれは悪くはないというか寧ろ旨みが強いのに粘性はそれほどでもなくてバランスは良好、しかも化調は多くはない。
カネシ商事製ではないだろうが甘味が程々あって行けている醤油だねはなかなか秀逸だ。これだとヤサイの甘味と相俟って正当ジロリアンだったらパンチに欠けて不満だろうと思いつつ啜っていたら、やはり厨房カウンタ内で飛び交うワードは「カラメ」が多い。麺は長方形断面のきし麺のようなもので、極太楕円断面ではない。が、縁が角張っているせいか、表面だけスープを適度に吸い込んで薄褐色に染まったこの麺は美味しいのだ。
ヤサイはもやし主体で量は極少。これなら女性だって楽に完食できる。勿論、ノーマルまたはヤサイ増しの山盛りで麺を覆うもやしに萌えるというジロリアンにとっては亜流中の亜流の食べ方かもしれないが。この歳になると量は行けないのでこれくらいが適切な折衷点かと思われる。
チャーシューは、前述のとおり、いわゆる二郎的な「豚」と名乗る資格がない程度の量。
だが、箸で触っただけでほろりと崩れるこのクォリティはかなりのもので、ちょっとちぎって口にすると暫くはそこに留まるものの程なく解れて食道へと落ちて行く。塩分濃度も適切、煮込み具合もベストなこれは、やはり再訪してみようかという意欲に繋がるものだ。茹卵は味が付いていないけれども絶妙な軟茹で状態で中心部が半熟となっており美味しい。
二郎系という敷居の高さは殆どないのでどなたにもお勧めの二郎インスパ系の店なのだ。
豚そば秀吉
横浜市西区南幸2-9-1
電話: 050-5872-2461(予約)
045-311-8119 (問合せ専用)
営業: 月~金:11:30~14:30、17:30~23:00
土・日・祝:11:30~22:00
定休: 無休
最寄: 各線横浜西口(相鉄口)10分、相鉄平沼橋10分
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