コッコバン@伊勢佐木長者町 |
関内から延びる大通り公園沿いにひっそり建つ平屋の一軒家で永らく営業する老舗レストラン。店主は正統派フレンチ出身のシェフというが、昼には廉価で親しみやすいランチセットを出すことから横浜では知る人ぞ知る人気の名店だ。
以前は両隣、裏ともに他の店舗が犇めいていたと思われるが、現在では店舗の建家はコインパーキングにぐるりと囲まれる格好でぼつねんとした佇まいだ。
イセザキモールで色々と用を足していたら遅くなったが店は開いていた。入店時の先客はゼロ。
深閑とした店内は歴史を感じさせる落ち着いた調度と、とても暗い照明に包まれ、なかなかに癒される空間だ。昼なのに相手の顔は対面する距離であれば確認できる程度。ごく小さな音量で流れる穏やかなBGMを聴いていると時の進みが遅くなったように感じる。見渡すとフロアは割と広くて詰め込めば30人程度は入れそうだ。
毎年年末には貸し切りでクリスマス・ディナーを企画していて人気というのが頷ける広さだ。コッコバン・・・Coq au Vin・・・とは、雄の鶏肉の赤ワイン煮込みというフランス料理の名称で、店主がフランス料理の出自であることを暗に示しているふうだ。上品で優しい年配のママが笑顔で出迎えてくれる。
ランチは14:00までと聞いていた。それよりも遅い時刻の入店だったがA~C、"特"まである4つのコースのうちでBとCがまだ可能という。家内はB(正確な名称は忘れたが、蟹クリームコロッケ、海老フライ、ピーマン肉詰め)、私はC(特ハンバーグ)のセットとした。食前にポタージュ、メインディッシュとライス、食後にドリンク(珈琲)が付いて900円となる。
我々がオーダーした直後、常連と思われる初老の男性客が入ってきた。彼もCのハンバーグを注文し、暫しママと親しげに談笑していた。
オーダーが通ってから奥の厨房で調理に取りかかったらしく、ごとごとと音がする。ポタージュはすぐに出てきた。そこから暫し待ってようやくメインディッシュ+ライスがサーブされる。
家内の方はフライ中心のメインディッシュで、これが揚げたてでサクサクしており、小振りながらどれも美味な出来上がり。私の方のハンバーグは、寸法的には15ミリほどの均質な厚みのパテであり、セルクルか何かで成型したと思われる綺麗な小判型をした一品だ。街でよく見られる手捏ね風の厚手かつ不揃いな形のハンバーグではないところが逆に新鮮だ。
厚みを均質にしていることでじっくりと低温で焼いても火の通りにムラがなく、従って全体がふっくらと美味しく仕上がるということのようだ。デミグラスはちょっと塩分が多いシンプルな味付けだが、この優しいパテにうまく合っている。このパテにはつなぎはあまり使われておらず、上質な牛肉の風味をダイレクトに味わうことが出来る。
どちらの皿にも人参、じゃがいも、茄子、豌豆などの野菜をグラッセしたもののソテーが添え付けてあり、これがじっくりと柔らかく含め煮されていて実に美味、丁寧な下拵えである。柔らかいのに型崩れせずフォークで掴むことが出来るが、舌触り・歯触りともにスムーズで心地良い。
食後に温かい珈琲をいただきつつ膨れた胃を落ち着かせる。仄暗い店内へは大通公園側の小さな窓から陽光が少し差し込み、夏の終わりの気怠い雰囲気を投影しているかの風情だった。
もう少しこの癒し空間にこのまま座っていたい気もしたが、重たい腰を上げて店を後にした。
コッコバン(Coq au Vin)
横浜市中区弥生町2丁目21
電話: 045-251-8743
営業: 11:00~22:30
ランチ:11:00~14:00(日曜以外)
ディナー:17:30~22:30
定休: 水曜日
最寄: 市営BL 伊勢佐木長者町 3分、JR関内 10分
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫
住所:横浜市中区弥生町2-21 電話:045-251-8743 食べログ 若鶏の赤ワイン煮込み¥1250 牛ヒレ肉シャリヤピンステーキ¥2100 ハンバーグステーキ木の子ソース¥1000 ナポリタン ...... more