寺尾屋@大口 |
従前と同じで、路上にショーケースのような台を設置し、その前に女性店員が立って注文を受け、品物を準備して手渡すという昔ながらの血の通った売方だ。以前と同じようにショーケースは単なる置き台にしか過ぎず、ガラスケースの中にはお金とラー油の小袋、そしてレジ袋が入っているだけだ。出来上がった餃子は生であれ焼きであれ、奥の厨房からプラ容器に入った状態で運ばれ、ここでラー油小袋を添付され包装紙を掛けてから輪ゴムで止め、レジ袋に詰め合わされる。そして代金と引き替えに餃子を受け取るというシステムだ。
厨房手前側では若いスタッフが餃子マシンを操っていた。餃子の皮は一枚一枚ベルトコンベアの特殊バケットに手作業で乗せるのであるが、これがなかなか器用な手つきであり、年季の入った寺尾屋の親爺の以前の手つきと遜色はないようだ。
ホッパに入った具材を適宜混ぜ返しながら操作しないと、バケットに撃ち込まれる餡の量が減って不良品となってしまう。ホッパの混ぜ返しが間に合わず、中途半端な餡を抱いたバケットが閉じて皮が二つ折りにされてしまうと皮と餡が固着してやり直しは効かず、不良品として捨てるしかない。
しかしそれに気が付いた瞬間、餡をバケットに撃ち込むための圧搾空気を供給するホースを素早く抜くと餡は飛ばず、皮は空の状態で二つ折りされるので封止前に一旦止めて頭へ戻して再起動させれば無駄は出ない。
そういった精妙なことに目を配りつつコンベアを操業して餃子を経済的に大量生産しているのが寺尾屋なのだ。
包装紙のデザインは従前と同じだが、以前には「名物大口餃子」というキャッチフレーズはなかった気がする。味は従前と殆ど同じだが、餡のマッシュ度合いが増し、より滑らかになったようでワイルドな粒々感が減っている。実は寺尾屋の餃子には昔から肉は入っていない。基本、野菜だけでこの味を出しているのだ。それでも旨味が強いのはラードもしくは豚の脂身を隠し味に使っているからであり、そのなんともチープ&ヘルシーなライト・テーストが忘れられない地元の味として定着しているのであった。
※肝心の餃子の写真を撮る前に全部食べてしまった
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