鶴一家@鶴屋町 |
気を取り直して考えてみたら、この界隈にはイタリアンが多く、名店と言われるカンブーザや、ゆったり出来る「さんたるちあ」、リゴレット・オーシャンクラブなどもあったりしてそんなに失望することはないのだ。だが、家内の所望はラーメンだった。老舗である浜虎もあるが、ここは店員の態度が今ひとつでデリバリーまでも妙に長時間かかったりして落ち着かない。ならば、麺バカのちょうど裏にある鶴一家に入ろうということになった。
去年は震災の直後とその後の6月に食べている。ということはかれこれ一年くらい来ていなかった勘定になる。
店の入り口は以前と同じ風だが、何故か右側の扉では九州ラーメンの店もやっているようで、でも入口は鶴一家側だとの張り紙があってちょっと謎。左側のドアを押して店内に入ると14:00過ぎだが先客はゼロ。これはどうしたことか。人気がなくなってしまって実は風前の灯火状態ではなかろうかと危惧する。しかし、気っぷの良い店主と見目麗しい女性スタッフは健在であり二人とも元気だ。
買った食券は、家内は初めて見る豚塩つけ麺、私は、既に一年前に第二スタンダードとなっていた地獄つけ麺だ。どちらも単品かつ並盛りとした。そして家内は餃子が食べたいと言い、これも一皿買うことに。食券を回収に来た店主からは温/冷、及び私の麺の辛味度合いを問われた。家内は温盛りで私は冷盛り、そして地獄の辛味度合いは1~4あるうちの最上位である4を選択した。
オーダーを通したあたりから後客がパラパラと入り始め、あっという間にカウンタは半数以上が埋まってしまった。しかもその殆どが常連客の様であり、営業系サラリーマンやラフな格好の中年の休日満喫ラーメン派、煩さそうなラーメン小僧タイプ・・・。なるほど繁盛しているようで、たまたま我々が入店した時が狭間だったということらしい。
客あしらいを一頻り(ひとしきり)したあとカウンタ内の厨房に戻った店主ははっきりとした声でオーダーを反芻し、そしてかの麗人がきりっと復唱するというチームワークもよろしく俄に忙しく調理が始まった。麺を茹で釜に投入しタイマーをセットした店主は奥の独立厨房へ入って煮え上がったばかりの自家製チャーシューを切り分けているようだ。
手作りっぽい生の餃子は冷蔵庫からワンセット取り出され、ちんちんに暖まっている餃子焼機へと投入される。麺の茹だりは結構遅い。その間、餃子焼機へは小麦粉を溶いたと思われる水が注入され再び蓋が閉まる。数分後に餃子が焼き上がり、ヘラで剥がした羽つき状態でサーブされる。熱々のこの餃子は結構よろしい。
パリッとした皮に包まれる慎ましい餡の旨味は強くてしかも熱い汁は小籠包の様に吹き出してきて旨いのだ。注意しないと低温火傷するが・・。その間、大釜から小鍋にスープを移し取って熱々に再加熱し、つけ麺用に味をアレンジするのは麗人の役割らしく、慎重に事を運んだあとに仕上がりを確認。丼にスープを移した直後にタイマーが音で麺の茹で上がりを知らせる。すると奥からするすると店主が戻って麺上げ&冷水締めを素早く開始。
麗人はトッピング等の準備をしている。程なく我々二人の品がサーブされた。まず見た目に美しいのである。スープから立ち上る薫りが嗅覚を刺激し、そして滋味深そうで適度な粘性でたゆたう丼のなんと凛とした佇まいであろうか。辛い方も塩味の方もスープは絶品と言って良いコロイド状態であり、素の豚骨スープの生まれの良さを思い知る。
そして粘性だけではなく味も実に深くて舌にまとわりついてくるのだ。塩のほうは塩分濃度が高く強烈なフックだが、スープの滋味が強いせいか不思議と気にならない。あっさりとした舌触りなのに後になって喉が渇いてくる典型的な旨いスープだ。そして地獄だが、これはそれほど辛味は無く、だがそれなりに注意しないと溶けずに表面に浮く一味唐辛子を勢いで吸い込んでしまう危険性がある。
この辛いつけ麺は従前からメニューにあったが更に弛まず進化していることを確認する。各種のトッピング、麺のスープ持ち上げ度合い、喉越しと舌へのフック等、どのディメンションを捉えてみてもハイレベルであって、久し振りに味わう鶴一家は一歩先を行く満足の味を提供してくれた。これは実に嬉しい再発見だった。もっと足繁く通うべき、そして愛すべき地場の家系ラーメン屋なのだ。
鶴一家
横浜市神奈川区鶴屋町1-7-34
電話: 045-324-5568
営業: 月~土:11:00~27:00
日・祝:11:00~24:00
定休: 無休
最寄: JR、東急、相鉄、京急、BL 横浜4~7分
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先日、横浜駅周辺へへ出かけた際に、以前から気になっていた家系ラーメンのお店でランチをいただいてきました。 こちらがそのお店。 「鶴一家」というラーメン店です。 ... more