らーめん中々@六角橋 |
実に一年ぶりの訪問となる。六角橋の仲見通は毎週のように行っている。その場合においてはこの店の前は必ず通るわけだが、狭い店内にだいたい客がいっぱいで何となく足が遠のいていたということかも知れない。別に積極的に忌避していたわけではないが、新店の知らせがあるとそちらへ足を向けてしまうし、いつでも食べられると思うと是が非でも入ろうという話にはならいのだ。
今回は、あっさり系のラーメン店として六角橋の地に足を降ろして暫く経った中々の味を再確認しておきたくて雨の中、強い気持ちで暖簾を割った。14:00前くらいの到着で、先客はうら若き女性が一人、ちょうどラーメンがサーブされるところだった。
この店は古い作りの長屋の一角にあって、そして狭くてお世辞にも小綺麗とは言えない。
しかし、仄暗いL字カウンタだけのこのアットホームな雰囲気と飾らない無口で実直な店主のキャラクタが女性単独客を呼ぶだけの安心感を醸しているのかも知れない。
家内は一年前に食べたのと同じ葱らーめん(醤油味)、私は絶品の自家製チャーシューを贅沢に載せた醤油味のチャーシュー麺とした。両方ともアドオンで味玉を付けた。
先客の女性が長い髪をかき分けつつ美味しそうにラーメンを啜っている姿を横目にして待つこと暫し。
以前と全く変わりない無駄のない所作で我々のラーメンが目の前の厨房で作られていく。大量の刻み葱に賽子切りのチャーシュー、そして僅かに滴下された胡麻油がボウルで和えられ準備は整った。
いつもの細麺が茹で上がるにはさしたる時間を要せず、丼に満たされたすっきり系の透明スープにきりりとした麺がさらさらと泳ぎだす。
所定の具が手早く添え付けられてカウンタ越しにサーブさた。角が取れた馥郁とした醤油の香りが冷えた鼻腔をまさぐる。
そして白い湯気が丼からゆらゆらと追っ掛けて立ち登り、ラーメンを目前にした独特の食欲が掻き立てられる。
スープを掬うとそこにはピュアな牛筋のあのいつもの清湯が醸すさりげない淡麗な滋味が待っていてくれた。澄んだスープに潜むこの穏やかな旨味こそ中々の孤高の立ち位置を主張しているのだ。
余り多くの言葉はいらない。
がっしりした太麺でもなく、怒濤でワイルドな豚骨でもなく、鮮やかすぎる節系の香りもなく、しかし中々のこのウェル・バランスなラーメンは素晴らしいのである。近ごろオープンして話題に上るスター店は幾つかあるが、地味ながらこの六角橋の地で地歩を維持している「中々」はなかなか素晴らしいのであった。
らーめん 中々 (なかなか)
横浜市神奈川区六角橋1-9-1
電話: 080-5086-3826
営業:
平日: 11:00~14:00、17:00~22:00
土日祝:11:00~22:00
定休: 火曜日
最寄: 東急東横線・白楽3分
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