オフ会&ミニプリ2011年モデルの試聴@自宅 |
お二人からは低域が更に締まった、大きなテレビを入れた割には音場の乱れがない、など、概ね好評を得られたようでなによりであった。確かに、総重量200キロを超える本格的なオーダー家具を据え付けて耐震固定までしているので、CS7.2を載せる床のリジッド具合は過去最高となり、従って低域、超低域に関しては遅れも膨らみもないハイスピードな鳴り方に変わったのだ。
そして、今回のオフ会の目玉の一つが、震災前からPさんにお願いしていたミニプリの設置と試聴&デビューだったのだ。
我が家の定番プリアンプ、Mark Levinson No.38Lは永年の使用によって調子が悪くなり、具体的にはリモコンの効きがよろしくないのと、なんとなく音質が黴臭くなってきていたのとで、これを機会に音質に影響を与えているパーツの一新を目論んでハーマン・インターナショナルのサービスセンターへオーバーホールに出すことにしていたのだ。
ハーマンへは事前に(というか震災前だが・・)相談し、今でもNo.38製造時の電解コンデンサ等の純正パーツがストックされており、発売当時の音質にまでリフレッシュすることが可能ということは確認済みなのであった。しかし、そのオーバーホールに出している3~4週間の間、代用するプリアンプが無いことからPさんにお願いしてミニプリを一台貸してもらうことにしていたのだ。
ところがPさんの手許にも貸し出せるような適当な号機が残っていないということで、それならば、と一念発起され新設計の2011年モデルのミニプリを設計製作されたのだ。それがこのほど完成したということで我が家のシステムに持ち込んでもらったのである。Pさんは今までは伝統的にディスクリート半導体でプリアンプを作られてきたが、この2011年モデルはなんとアナデバ製のオペアンプAD711を使った設計という。確かに、ディスクリートで巧妙に構成したとしても、世の中の良く出来たオペアンプに音質的に肉薄もしくは凌駕することは難しいのかも知れない・・。
ということで、技術的なことは分からないが、ひとまずはNo.38Lを外し、DP-85とCELL REGZAの入力だけをミニプリに刺して試聴した。因みにDP-85からのINとプリOUTはバランス接続なのでXLR-RCAのPさんお手製のアダプタまでご用意頂いた。勿論RCA接続のケーブルを別に準備しても良かったのであるが、出来れば今の接続環境のまま聴き比べをしてみたかったので幸いであった。
結果であるが、No.38Lに比較して音は太く、そして地味な音質傾向である。勿論、No.38Lが華美な音かと言われると決してそんなことはないのであるが、更に艶消し度を上げたようなモニター調というか、局用機器のような音である。そして解像度は、No.38Lの調子が良くなかったこともあってかミニプリの圧勝であり、今まで余り明瞭に聴こえていなかったディテール部のノイズやプレゼンスも良く再現する。繋ぎ換えた後に冒頭でかけたCDやSACDも聴き直してみたが、いずれも音が太い傾向が見られ、例えばスタインウェイの多少細身で剛直な部分が太くまろやかに聞こえたり、ストラディヴァリが太って聞こえたりというのはあるが、これは聴いているうちに耳が慣れてくる誤差の範囲であり、現在ではなんの違和感もなく便利に使わせて頂いている。Pさんのアンプ設計能力の高さには脱帽する。我が家にNo.38Lが戻った後、このミニプリ2011年モデルはkenjiさん宅へ迂回しそうな雰囲気であった。
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。