R.Strauss: Deutsche Motette Op.62@Equilbey/Accentus, Latvian RC |
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Strauss - A Cappella
Strauss, R:
Deutsche Motette Op. 62
Traumlicht, No. 2 of Drei Männerchöre AV123
Der Abend Op. 34 No. 1
Hymne Op. 34 No. 2
Jane Archibald (sop); Dagmar Pecková (alt);
Eric Soklossa (tenor); Robert Gleadow (b-baritone)
Accentus & Latvian Radio Choir, Laurence Equilbey
R. シュトラウス~ア・カペッラ
・ドイツ語のモテット 天地創造はなしとげられた
・夢の光(男声合唱)
・2つの歌 Op.34(夕、讃歌)
ジェーン・アーチボルド(ソプラノ)、ダグマール・ペコーヴァー(アルト)
エリック・スコロッサ(テノール)、ロバート・グレアドー(バス・バリトン)
アクサンタス、ラトヴィア放送合唱団
ロランス・エキルベイ(指揮)
暫く聴いていて、また思い出したようにたまに取り出しては聴いている。いやはや、この人達のアカペラにはいつものことながらやられてしまう。
どうやったらこういう薫り高い、そして超ハイセンスな合唱が出来て、これまたどんな人達がこういった霊妙で美しい音をここまでの完成度で録ることが出来るのであろうか・・。
どのトラックの出来映えも素晴らしいが、改めてリヒャルト・シュトラウスの歌曲ライターとしての才能と作品の出来映えの素晴らしさを思い知る一枚だ。
「天地創造はなしとげられた」は、地味な旋律の素朴な美しさを基調としながらも、ちょっとだけ前衛的な和声を織り交ぜた秀作である。起承転結を旨とする情感カーブを描く典型的な「ソナタ的」な構築なのだが、実際の楽譜は違っていて、全20パートに分けられた小さな楽章の集まりといった構成。このCDは1トラックで全編を収めていてインデックスも付けられていないので楽章の分かれ目が判りづらいのであるが、3~6トラックの盛り上げが素晴らしく、それでいてフォーレ的な浮遊感も味わえる美味しいコーラスである。フランス人中心のアクセンタスがドイツ語のモテットを歌うのはどうかとも思うが、まぁ、それはそれでふくよかなイントネーションおよび過度に明瞭ならざる撥音が心地良いといえばその通り。
意外だったのはOp.34で、これは更なる飛翔感と夢遊感が味わえる素晴らしい歌唱である。かっちりとソリッドに歌い上げられるのが通常とすれば、このエキルベイの解釈は全く対極にあるといってよい空気感および気配をメインテーマとしたリードであり、これは新機軸かも知れない。この二つのトラックは繰り返し何度も何度も聴いているのだが未だに色褪せず飽きず、で、とても心地がよい出来映えだ。こういった普段聴きの曲を意外なアプローチで聴かせてくれるのがエキルベイでありアクセンタスであり、こういうスタイルがずっと継続して踏襲されていることに対して敬意を表したい。やはりアクセンタスはいいのだ・・。
(録音評)
NAÏVE V5194、通常CD。音質はPCM的な特徴を前面に押し出した精密かつ精緻な高解像度系。かつてdCSのフル・システムで録っていた時代のナイーヴを彷彿とさせる潔い、しかも粘りも腰も強い濃密系のサウンドだ。今はやっているハイビット系とは異なるアプローチながら声のボディとマスを存分に聴かせるという趣向の調音は流石と言わざるを得ない。超絶録音ではないにせよ、円熟したマイクアングルと残響処理、音場の作り方と、どの要素についても一級品の出来映えだ。
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