グリル桃山@伊勢佐木町 |
こちらも当地では老舗とされる洋食屋で昭和8年創業というから恐れ入る。アーリー昭和が相当に入っている元祖的洋食レストランという風情だが、店の外観は赤いテントに赤い彩色と、ちょっと派手ないで立ちで中華屋かと思わされる。本日は家族四人で揃ってランチ。午後の遅い時刻ではあったが店に着いたら客が結構入っていて、通されたのは一階で唯一空いていた4人掛けテーブル。
家内はBランチ(ハンバーグ定食)、長女はSランチ(牡蠣フライ定食)、二女は単品ポタージュスープ+オムライス、私はこの店の看板だというハヤシライスをオーダーした。
尚、定食にはスタンダードなポタージュがデフォルトでバンドルされる。但し単品オーダー品とは違いバターも生クリームも添えられず、量的にも少な目となっている。
オムライスはコトブキのものと見た目には似ているし製法もほぼ同じ
と思われるアーリー昭和な品で、卵は基本薄焼きながら端の方がフワトロ風に半熟が入っていてなかなかだ。化粧ケチャップではなくデミグラスが掛かっている。
牡蠣フライは大皿にフライ本体、生野菜、ポテトサラダ、それに特製のタルタル・ソースがふんだんに盛り付けられた、これまたランチプレート風の一品だ。揚げたての牡蠣フライは風味も良く、そして衣はサクサクでタルタルがとても合っている。
ハンバーグは熱した鉄板にパスタその他がコンパクトに盛られた典型的なランチスタイル。熱々の自家製デミグラスを多量に纏った牛挽肉は繋ぎが少なく、従って密度感が高いしっかりとした噛みごたえだ。しかし、固すぎるということはなく、単にぎっしりと肉が詰まっていると言うだけだ。
ハヤシライスだが、グレービーボートにたっぷりと盛られたものがライスの皿とは別に供される。ハヤシのグレービーは粘性がかなりあってしかも具沢山。
ホロホロの牛肉に多量のマッシュルームはニュワニュワとして柔らかく、そして後からマリッジしたと思われるタマネギがシンネリすることなくシャキシャキ感も演出していてよい対比だ。
但し、塩分、酸味ともに強く、逆に甘みがちょっと足りないので、雰囲気は中濃ソースで牛肉を煮た様な感じだ。今風のデミグラス版ハヤシは、どちらかというと女性的なビーフストロガノフの発展型とも言えるが、このハヤシは、いわゆる昭和のハヤシであって、しっかりとした味付けとシンプルな旨味が身上だ。
客層は常連と思われるシニア世代が中心だが、若い人達も時折利用しているらしく、割と幅広い年齢層から愛好されているようだ。今風の洗練された洋食とは異なる味付けだが、この頑固なまでのアーリー昭和はまた懐かしさも手伝って希少価値だと思う。
グリル桃山
横浜市中区伊勢佐木町2-9-3
電話: 045-261-6955
営業: 11:30~21:00(L.O)
定休: 水曜
最寄: JR、市営BL関内3分、
みなとみらい馬車道7分
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