Poulenc, Debussy, Prokofiev: Vn Sonata@Alena Baeva |
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現代ヴァイオリンソナタ・アルバム
・プーランク:ヴァイオリン・ソナタ(ガルシア=ロルカの思い出に)
・ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
・プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番
アリョーナ・バーエワ(Vn)
ヴァディム・ホロデンコ(Pf)
仙台国際音楽コンクールについては詳しくは述べないが、コンチェルトやソナタを中心テーマとした特色あるコンペティションで、仙台フィルのレベル向上とも相俟って昨今では着目されて来ているようだ。
先の神尾真由子や枝並千花のアルバムと同様に一貫したテーマ性を帯びたプログラムでなかなかの力作だ。やはり演奏や解釈が難しいフランス印象楽派の名曲が並んでいる。そして最後にプロコを持ってきているところにカザフスタン出身であるコンペティション・ウィナーの矜持が表れたような選曲だ。
はっきり言ってプーランクもドビュッシーも巧い。イメージ的にはロシア系の勇壮で甘美な作品が得意なんだろう、と思っていたのだが、フランス系へ解釈スイッチが切り替わっているのであろう。浮遊するようななんとも言いがたいプーランクのソナタを実に丹念に微小領域まで弾き込んでいる。こんなにもデリケートな音が出るのであろうか、と思わされるVnだし、エキゾチックなパートの情感も襞が深い。一転してドビュッシーの色彩感は炸裂するようなパッセージの連続でなかなかにどきどきさせられる。艶めかしくもしっとりとしたドビュッシーだ。
プロコになるといきなりスイッチがロシア系へと倒される。元気で少し破天荒な諧謔味はフランス系とはまるで雰囲気が異なって少々面食らうほどだ。しかし、この弾き方と曲想がバーエワの既定路線なのだろうと直感させられるほど填っている。別に民族の血筋云々と戯けたことを言うつもりはないが餅は餅屋的なこなれた安定性・自信を感じさせる演奏だった。
職業人としての演奏キャリアから見ると神尾にはまだ敵わないのかも知れないが国際舞台で十二分に通用する表現能力を既に身に付けているソリストだと思う。しっとりとしつつも翳りと輝きの両方ともを巧く出し、広いダイナミックレンジによる懐の深い演奏をする人物だ。レベルは相当に高い。
(録音評)
SIMCレーベル、SIMCVN001、通常CD。仙台市青年文化センター・コンサートホール(仙台市青葉区)での24bit/88.2KHz録音とある。音質はちょっとくぐもった感じで地味、一般的なレーベルではなかなか聴けない手作りっぽいシンプルな音質だ。
Vnは少々オフマイク気味に定位していて、音像が立体的に臨場感豊かに迫り来るという気配でもない。但し、音場空間の拡がりが綺麗に録られていて残響も比較的豊かだ。ピアノの音像は多少散乱気味だが及第点だろう。
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今日もスマイル