PCの高スループット化 - 9 |
最近ではCrystalDiskBenchというベンチマーク・プログラムが流行のようだが、試してみたところバージョンごとに示す値がかなり違うのと、キャッシュが効いてしまうと数千MB/Secなどという突拍子もないスコアが出てしまい、指標とするには信憑性・安定度に欠けるため、少々古めかしいがHDBENCHを採用した。
SASのパフォーマンス・テストは以下のように行った。
(1)Adaptecコントローラの3ポートをそれぞれC:、D:、E:に接続
(2)Marvellコントローラの1ポートをC:、Adaptecコントローラに残りを接続
という構成で2セットのベンチマークを実行し、各々のセットはHDBENCHのディスクI/Oテスト(各1000MB)のみを同時3並列でそれぞれのSASドライブに対して10回実行し、スコアの相加平均をとった。
結論から言うとSASコントローラを2基に分散した方が僅かに速かった。
次にプロセッサのオーバークロックを実施した。foxconn Renaissanceには簡便なクロックアップ・ツールが付属している。ツールといっても単純な仕掛けで、1MHz刻みで順にクロックを上げて行き、ハングアップ、または暴走する直前の基底周波数をファイルに記録しておくというもの。次に立ち上げる時にBIOSのクロック設定画面からマニュアルで基底周波数をセットするという流れだ。
クロックアップ・ツールを実行したところ、デフォルトの133MHzから一つずつ上げて行って、162MHzになったところでハングした。次に立ち上げたところツールはこの限界周波数に安全係数を見込んだと思われる155MHzを推奨してきたのでその通りとした。プロセッサの周波数は155.3×22逓倍=3416.6MHz、約3.42GHz動作と言うことになる。これに伴いBIOSでQPI速度をCore i7 940の標準値である4.8GT/sからCore i7 965 Extreme Editionと同じ6.4GT/sに引き上げた。これでPCIeに接続された機器やオンボード機器のパフォーマンスが僅かにアップするはずだ。
最後のまとめだが、以下はExcel表のプレビュー・イメージ。
全面SAS化により、U320の約2.4倍というスループット改善に成功した。今後更に改善するにはRAID化などが考えられるがどうしたものか・・。
(追記)
OCした後のHDBENCH全項目が開示されていないとのご指摘があった。確かに・・。計り直したALLのイメージを追記する:
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name foxconn Renaissance
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
Processor Pentium III Xeon 3417.26MHz[GenuineIntel family 6 model A step 4]
VideoCard NVIDIA GeForce 9500 GT
Resolution 1600x1200 (32Bit color)
Memory 2097,151 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 3
Date 2009/02/28 22:35
Intel(R) ICH10 Family 2 port Serial ATA Storage Controller 2 - 3A26
プライマリ IDE チャネル
Intel(R) ICH10 Family 2 port Serial ATA Storage Controller 2 - 3A26
セカンダリ IDE チャネル
Intel(R) ICH10 Family 4 port Serial ATA Storage Controller 1 - 3A20
プライマリ IDE チャネル
Intel(R) ICH10 Family 4 port Serial ATA Storage Controller 1 - 3A20
セカンダリ IDE チャネル
JMicron JMB36X Controller
PIONEER DVD-RW DVR-106D1.07
Marvell 64xx/63xx SAS Controller
SEAGATE ST373455SS S515
MARVELL Virtual Device 1.00
Adaptec RAID 2405
Adaptec Array
Adaptec Array
ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
214691 904850 419395 642251 579685 1104998 59
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
75000 35575 7060 851 94902 93601 30188 13651 C:\100MB
(了)
(あとがき)
今日は昨日とは一転して気温は上昇、三月上旬~中旬の陽気になると昨晩の天気予報が告げていた。ところが一夜明けてどうかというと、それ程日差しも出ず気温も上がらず相変わらず寒い。正午頃でも恐らく摂氏10度行かないくらいだっただろう。
このPCの作り直しの日記は結構長い連載だった。Part 1を書いたのが1月30日だったので丁度一ヶ月かけた計算だ。実際の作り直しはあっという間に終わっているのであるが、その間に行われたことを精緻に記していくとこれ位の分量にはなってしまうのだ。今回はソフトウェア側のメジャー変更が全くなかったのでこの分量で終わっているが、これがVistaアップグレードなどと絡んでいたなら更に長引いたであろう。
インテルやAMDのプロセッサは確実に進化していて、その進化が数値として表れるほど目覚ましいものだ。現在でもチップの製造プロセスが年々微細化しており、ムーアの法則は一応成り立ってはいるが、ここへ来て動作クロックの限界値に近付いているという事もあってトレンドは単一プロセッサ高速化からマルチコア、マルチプロセッサ化へと舵を切った。また産業界はグリーンITと経済シュリンクに起因して仮想化へと大きく傾いているため今後数年でプロセッサを取り巻く環境はまた様変わりするかも知れない。
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