饂飩頑陣@馬車道 |
まずはビール
頑陣もその一つで日祝は完全休業かつ営業は月~土を通して11:00~14:00の3時間のみで夜営業もなしというハードルの高さ。店には13時過ぎの到着。前回は店の前に行列を作っていたが、この日は大丈夫だった。だが混んでいることには違いはなくテーブル席は満席、カウンタが二つと立ち席が空いている程度だった。自販機のボタンが一新されメニューが再整理された。
以前の讃岐天や頑陣天のボタンがなくなり、いくつか新しいのが並び、特に温も冷も揚げ餅入りのつるもちと称するシリーズに一新。一方ビールもセルフサービスとの表記があって冷蔵庫から各自が瓶を運ぶシステムへと変わった。冷蔵庫にはサッポロ黒星だけでなく主要銘柄の小瓶、そしてハートランドがあった。ここは無論ハートランドだろう。
鶏ちく天
家内はこれ。つまり鶏天とちくわ天をバンドルした冷たいぶっかけ饂飩。
少し味見させてもらったが、ちくわ天の優しい揚がり具合が秀逸で、いわゆるパリパリの江戸前ではなく讃岐本場のにゅわっとした揚げかた、そして滋味深い上質な鶏もも肉の旨味が溶出して絶品の饂飩に絡み付いているのだ。この何ともいえないほっこりとした風味と饂飩のコラボレーションはこの界隈ではここでしか食べられない妙味と言えよう。
つるもち『海老』(海老4尾・揚げ餅)
シンプルだが実に美味しそうなぶっかけ饂飩だ。
汁は徳利の底にごく少量溜っている濃い目で異様に滋味が濃いもの。これをちょっとずつ丼に垂らし、饂飩と揚物を混ぜ返しながら頂くと当然に至福がやって来る。かえしの醤油は色合いが濃いのだが熟成醤油なのだろうか刺激はなく、そして何と言っても出汁が濃密かつ複合的、そして奥深いのだ。この後この店ならではの卑怯な食べ方に移る。そう、これ。生卵だ。
ぐずぐずに溶いた生卵と饂飩の相性の良さは今さら論を待たない。フリッター状にふっくら揚げられた海老の身を浸してみる。これはなんと表現すべき味なのか。それくらい語彙を選べない美味しさだ。饂飩をコーティングする卵は勿論、フリッター状のポア(多孔質の表面)に浸潤する卵黄の濃厚さといったらもう天上の味。あぁ、人として段々と駄目になる味・・。
お店データ
自家製生うどん 饂飩頑陣
横浜市中区住吉町6-74 A102
電話:080-8106-9058
営業:11:30~14:30
定休:日祝
最寄:MM21線 馬車道3分、市営BL関内3分、
JR関内6分
今日の一曲
前回のアルバムから同じサラサーテのカルメン幻想曲。なおアルバムタイトルはこの曲名そのものだ。ムターは典型的なゲルマン人であり、スペイン系の熱く燃えるような妖艶な表現手法を体得しているわけではない。しかしこれはこれで良い風情を出していて、Vn(ヴァイオリン)の演奏はいいなー、と思わされる秀逸な仕上がりだ。世界を代表するヴィルトゥオーゾは若い頃から既に完成された、いわば天賦の才を持っていたということかもしれない。
(MusicArena 2006/6/8)
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