木の芽@石川町 |
生ビールと肴
朝から寒い寒いと言う家内。であれば是非とも暖かいものにしよう・・。蕎麦が良いとのことだったので、では元町散歩なんだし木の芽だろう。ここの出汁巻き卵を狙うがため14:00ちょっと前に入店。雨で空いていると思いきやほぼ満席。たまたま帰る客がいたので奥の方の4人掛けテーブルに通された。まず頼んだのは生ビール。そして出汁巻き、お新香だ。
生ビールがサーブされた直後、後客がどやどや入ってきた。見るとまだ幼そうな複数の男子が老夫婦、中年の女性らと共に入店。合計6人だ。花番さんは定石通り2名と4名に分かれて座れますという。我々は自発的に隣の2人掛けに移り、4人掛け+2人掛けを作ることにした。花番さんからは感謝されたが、隣にどっかと座った人達の反応は異様だった。
どうも中国からの観光客だったようで、怒ったような大声で何かこちらに叫んでいるが意味が分からない。感謝の言葉だったのだろうか。いかんせん相手の表情が余りに怖かったので深入りせず軽い会釈で済ませた。また花番さんがやってきて非礼を詫びる。あなたが誤る筋ではないと思うが、というと、彼女も彼らの言葉は理解できないが、ともあれ、ありがとう、だそうだ。
この日のお新香は実にシンプルな風味で、いつもの麹の香りは殆どせず良質な糠の香りで満ちていた。刻んだ大根の浅漬けが爽やかで美味しい。糠で漬かった胡瓜と人参と共に頂くとほっこりと落ち着いた気分になる。隣席では大声を発しながら意見を交わし、最終的にはカツ丼、天丼、親子丼、たぬき饂飩などをオーダー。なんと蕎麦は一切注文しなかった様子。
かしわせいろ
二人とも今回はかしわせいろとした。
この日、特筆すべきは蕎麦の完成度。角が立った鋭い切り口の細切り蕎麦は仕上がりが美麗で理想的。そして、玄蕎麦の香りがそのまま生残し、馥郁たる蕎麦本来の風味に圧倒されるのだ。蕎麦は、やはりこうあって欲しいし、実際ここの蕎麦はそういう必須要素を全て満たした最上級のクォリティをあまねく客に提供しているところが素晴らしいのだ。
ここはあくまでも大衆店・町蕎麦であり格式高き蕎麦の名店とは評されない店だ。しかし従前から申し述べている通り、店舗の構えや造作、花番の居ずまい、格好、使う食器、雰囲気その他風情を醸しているのか否かという評価はあるにせよ、とりもなおさず本質的に美味しい蕎麦を出すかどうかによって名店であるか否かを決めるべきである。つまり木の芽は名店なのだ。
お店データ
木の芽
横浜市中区石川町1丁目11
電話:045-641-5835
営業:11:30~21:00
定休:水曜
最寄:JR石川町(南口)1分、
MM21線 元町・中華街8分
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