とらきち家@六角橋 |
この店の系譜には詳しくはないのだが、吉村家の元・直系の暖簾分けだった柏の王道家から更に暖簾分けして発祥の地元・横浜へ逆進出とのことで、千葉で成長した家系が凱旋したというか本家に殴り込みをかけたというか、どうもそんな感じの出店と思われるのだ。なお、現在の王道家は麺を自家製麺としたこと等、吉村家の暖簾会からは脱退しているそうだ。
店に着いたのは13:00過ぎ。行列を作っているのではないかと危惧していたが意外に空いていた。王道家の流儀が分からずに券売機に向かい、家内は普通のラーメン(硬め)+味玉、私はチャーシュー麺(硬め)+味玉とした。広い逆L型カウンタの奥に通され、そこにゆったりと腰かけた。コートやジャケット、鞄などを収納するプラスチック製の籠が用意されていて感心。これなら撥ねが飛ぶ家系ラーメンを女性でも安心して存分に味わえそうだ。
注文は一般的な家系と同じで、麺の茹で加減、醤油種の濃さ、鶏油の量を指定する方式なのだが、周りの客を見ていると独特な注文をしている。それは、野菜増しのような後オーダーのもやし系トッピング、豚バラと呼ばれる後載せのチャーシューなどがカウンタ越しのキャッシュ決済で可能のようなのだ。野菜や肉増しは二郎系と似たサービスで、腹を空かせた若者には堪えられないのではなかろうか。いかんせん、こちらは初老の域に達している身なので殆どノー・サンキューなのだが。
麺は着席して茹で加減等の好みを聴いた後から茹でに入る。しかし固めコールとそれ以外は同じ麺茹釜に麺を投入するので、早く引き上げたのが硬め、それ以降が中~軟茹でという直系と同じ麺茹でオペレーションだ。
若いスタッフが茹で釜から麺を掬って湯切りし、拵えてある丼によそって行く所作を傍で指導している大柄な人物はどこかで見たことがある。そう・・、吉村家に2~3年前までいたと記憶する。そしてその後、王道家の立ち上げに参画したのかもしれない。待つこと暫し、我々の丼がサーブされた。スープの表面と麺が意外と低温で驚いた。
こんなにぬるい家系は久し振り。しかし、下の方から混ぜ返すと熱い湯気が立ち上ったことから、鶏湯が冷えていたのではなかろうかと思われる。それはさておき、まずはスープ。かなり塩っぱいし、ワイルドで強いコク、図太い旨みと粘性は本家を彷彿とさせるものがある。但し、円(まろ)やかさという点においてはまだまだで、鍋が馴染んでいない感じ。
麺は酒井ではなくて王道家自家製だが、まま美味しくて及第点。茹で加減は硬め指定であったが割と柔らかい印象で、スープの醤油は染みこみやすい。チャーシューはモモ部位であろうか、みっしりとした肉の噛み応えが堪能できる上質なもので、家系伝統のスモーキー・フレーバーだ。恐らく煮豚ではなくて焼豚であろう。
ほうれん草はかなり風味が良いことから冷凍品ではなくフレッシュ品を湯掻いたものと思われる。味玉は割と緩めの茹で加減で黄身は半凝固で流出する程度。鶏卵の等級としては普及品で味付けもスタンダードなもの。
家内はスープの塩分が強くて耐え切れず、食べ始めて暫らくして薄めてもらった。するとちょうど良い具合になったようだった。
トータルすればかなりクォリティの高い家系ラーメンだが、味やオペレーションの安定性はこれからといったところ。帰りに隣の隣の六角屋の前を通った。ひょっとして閑古鳥か、と思いきや、意外なことにほぼ満席状態で忙しそうであった。ライバル店の出現は互いにシナジーとして働く場合もあり、ここのケースにおいても良い方向へ進んで行って欲しいもの。
とらきち家
横浜市神奈川区西神奈川3-1-1
電話: 調査中
営業: 11:00~22:00
定休: 月曜
最寄: 東横線 白楽7分、東白楽5分
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♪ よい音楽を聴きましょう ♫
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