らーめん春友流@戸部 |
店は国道一号線沿いで、住所からすると最寄りは戸部駅ではなく市営地下鉄ブルーラインの高島町駅のようだが、東横線から市営BLは乗り換えがとても不便なので地上からすぐの京急で行くことに。ところが、京急で一駅乗って戸部に至るにはハードルが高い。優等列車は停まらないので何本か見過ごさないと乗れないのだ。エアポート急行や特急、快特の発車を見送ること10分弱、ようやく各停浦賀行きが来た。横浜を出発するとゆっくりとカーブを描きながら程なく戸部駅に停車。
この日もうだるような暑さのなか、戸部から歩いて東方向(みなとみらい方向)へ向かう。徒歩にして4~5分の距離だった。店に到着したのは14:00過ぎ、混んでいるかと思ったが先客は3組5人ほどと空いていた。
厨房には店主と思われる精悍な男性一人とお手伝いの女性が一人。買った食券はチャーシューめん+大盛り。生ビール(なんとサッポロのエーデルピルス)のボタンもあって思わずそそられてポチリしそうになったが昼間だったので辛抱。食券を渡して待つこと暫し、白に鮮やかなブルーの刷毛目が入った磁器製の丼がサーブされる。
どろりとした高粘度の茶系スープに西山の麺が沈んでいる。そしてトッピングのチャーシューが贅沢に表面を覆っている。一掬いすると、これはどこかで味わったことのあるとろんとした素直なポタ系豚骨だ。これとジャスト同じではないが、くり山の中華そばや、もう閉店してしまったが桜花の大和製麺所のラーメンのスープから魚粉を抜くとこんな感じの優しい味わいだった気がする。
スープの味は実に優しく塩分もそれほどきつくはない。しかし、滋味が深いのでいくらでも飲める感じであり、そして西山の多加水縮れ麺がスープを良く持ち上げるのだ。麺の茹で加減は硬めで舌触り・喉越しともに良好だ。チャーシューは硬めのしっかり目だが豚本来の味がじんわり沁み出てくる秀逸な出来栄え。大盛りとしたが男性客からするとこれくらいがちょうど適当な量ではなかろうか。
スープは割と少な目に張られているので麺を食べ終えた丼に残留する量はそれほどでもない。が、これが薄まっておらずレンゲで掬って飲むと次の一掬いを誘ってなかなか止まらず、結局は一滴残さず飲み終えてしまった。化調なしでここまでのコクと深い風味を作り出すのは至難と思われ、これは相当にレベルの高いラーメンだ。ここといい反町のSHINといい、このところハイレベルな出店が相次いでいて嬉しい限りだ。
先客は全員帰り、お手伝いの女性も一足先に上がってしまったので店主と私だけとなる。ちょっと話をしてみたところ気さくに受け答えしてくれた。店主は以前に旭川ラーメンの天鳳に勤めていたことがあったという。六本木の天鳳なら前に何度も食べたことがあると告げたら、勤務していたのは旭川の本店だそうだ。そうそう、確かにこのどろりとしたスープと旨みの強い醤油だねは一三五の味に多少通じるものがある。しかし、粘性と味の落ち着き具合、温厚さにおいては六本木の天鳳を遥かに凌駕していてすぐには連想ができなかった。なんでも現在の六本木の天鳳と本店は業務上も味の上でも関連がなくなってしまったそうで、店主は旭川の方をお手本にしている由。
そしてエーデルピルスは私が数十年前の発売時から愛飲している日本一のビールで、さすがにお目が高いと申し上げたところ、北海道出身の店主としてはサッポロの一番美味しいビールらしいビールを提供するべくエーデルピルスを選んだ旨を説明してくれた。そう、エーデルピルスは本物のピルスナー麦芽を贅沢に使いホップを思い切り効かせたほろ苦いビールの代表格であり、いまやあまり街中では手に入らないが現在に至ってもなおその品位は日本一だと思うのだ。今度来た時には冷たいエーデルピルスを一杯呷ってからこの絶品ラーメンをいただくこととしよう。
らーめん春友流(はるともりゅう)
横浜市西区戸部本町38-7
電話: 045-534-6550
営業: 11:00~15:00、17:00~23:00(売切終了)
定休: 月曜
最寄: 市営BL 高島町2分、京急 戸部4分
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