立山逍遥 #2 |
立山ケーブルカーの乗車時間は僅か6~7分であるが、その間、標高差にして500メートルを一気に登坂する。登り切ったところが標高977メートルの美女平である。ここはもうかなり涼しくて、下界からは10度以上気温は低くなる。
ここから高原バスが頻繁に出ていて立山の登山口である標高2450メートルの室堂まで直通で行くことが出来る。
所要時間はおよそ50分、弥陀ヶ原台地をつづら折りで標高差およそ1500メートルを登っていく。
美女平は杉とブナの大木が密に生い茂っている原生林の真っ只中にある古くからの避暑地だった。今は更に高地に出来た宿泊施設に押されてホテルは閉鎖されてしまった。
美女平ターミナルを出発し、落差350メートルの名瀑・称名滝を眺めつつ更に登っていくにつれ高い樹木は徐々に姿を消し中~低潅木へと姿を変える。
弥陀ヶ原台地の中心部である弥陀ヶ原バス停付近では這い松と湿地植物が織り成す独特の風景へと変わる。
車窓からは、深く刻まれた称名廊下によって弥陀ヶ原台地と隔てられた大日平、そして大日連山の雄姿を望むことが出来る。
大日岳を左手に見ながら天狗平バス停を過ぎ去ると植物の姿はぐっと減り、男性的なごつごつした岩場ばかりとなる。行く手には間もなく室堂ターミナルが見えてくる。
室堂は立山登山の登り口ではあるが、ここから地下を通って立山の真下を貫く立山トンネルを経由して黒部湖、更には扇沢や信濃大町へ抜ける要衝のターミナルでもある。
事実、観光客の多くは富山側ではなくて長野側から室堂へと入山して来ていた。室堂ターミナルのなかは各方面への乗り換え観光客でごった返していた。
到着時の室堂の気温は12度、半袖シャツでは少々寒い。時刻は11:30前、ターミナルから室堂平へと出て少々散策することに。雄山の雄姿を眺めつつ、みくりが池温泉までゆっくりと往復した。幸運なことに天候は良好で、大汝山にガスが少々かかっている程度だ。気温は低いが日が照ってくるとじりじりと暑く感じる。遮るものがないためダイレクトに紫外線が襲ってくるのだ。
みくりが池は深緑色の水を湛え、逆さ立山をその水面に映していた。みくりが池山荘にはヨーロッパ系の風呂上りの団体観光客がいっぱいいて、まるで欧州のスパのような雰囲気で賑わっていた。
時間があれば地獄谷まで降りようと考えていたのであるが今年の亜硫酸ガス濃度は高くて立ち入り禁止となっていた。
室堂ターミナルに戻ったら12:30前くらいで、ちょうど昼食時間帯。ホテル立山のグリルには行列が出来ていた。並んでいるのは喧しい関西弁あるいは中国系の団体客が殆どである。
家内は海津屋の氷見饂飩のセット、私は富山豚のカツカレーのセットを頼んだ。
味は良いが値段も良い。もっとも、年に半年しか営業できず食材・資材の運搬に手間隙がかかり人件費だって馬鹿にならないことを考慮すれば、あながちコストが高いともいえないのかもしれないが。
(続く)
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水の幻 山の面影 室堂のシンボル・みくりが池は、剣岳や大汝山をはじめとする立山連峰に囲まれている火口湖。 6月までは、すっぽりと雪で覆われる白の世界だという。 夏から秋にかけてはその青く澄んだ池面に立山三山を映して静まりかえっている。 水深は15mと、日本アルプスで最も深い。 この澄んだ水鏡に己の心を映したら、どんな色に染まるのだろうか。 「まあ、ぼちぼち行くんだな」 その時、頭上を雲じいが通り過ぎていった。 池のほとりの黄色い花が優しく揺れていた。 ...... more
こんにちは!
TBありがとうございました。
立山の旅、よかったですね。
富山側からではなく、長野側から私も
室堂へと入りました。
夏の室堂ターミナルは大勢の観光客で
賑わっていましたね。
TBよろしくお願いします。