九ツ家@六角橋 |
ということで、次はどうする? と家内に訊いたところ、意外な店名が口を突いて出る。九ツ家だそうで・・。もう一年以上行っていないかも知れない。なんでもここの創業店主が大和方面で新店=熱烈家を出すとのことで去った由、そのニュースに触れたあと足は遠ざかっていたのだ。
久し振りに向かった九つ家、元気に営業していた。先客は学生と思しき若者が3組、既に食べ終えるかもしくは出る間際であった。買った食券は二人とも普通のラーメン+味玉とした。券売機にポップが貼り付けられていて目に付いたので私はネギチャーシュー丼というのも追加でポチした。
厨房の若い店主から指示され、空いている一番奥のテーブル席に座った。すぐに冷たい水がサーブされ、味加減等を訊かれる。家内は硬め+薄目+少なめ、私は硬め+多めとした。この若者、以前からこの店で働いていたと記憶し、元の店主の片腕だった人物と思われる。なかなかキッチリと仕事をこなす、今時にしてはしっかり者の新店主といったところであろうか。好感度は高い。
待っている間、食事を済ませた若者たちが三々五々引き揚げていく。そこから程なく、ラーメンが二杯サーブされた。追っ掛けるようにネギチャーシュー丼も届くが、これは思いのほか小振りで可愛いいでたちだった。ラーメン丼から褐色のスープをレンゲで一掬いすると、これはもう従前の九ツ家の風味そのもので、尚かつ粘性が更に一段増している。
たまたま寸胴が煮詰まって具合がよい状態だったのかも知れないが、それにも増して滋味が深くなっており納得の濃厚スープなのだ。
先日食べた、濃いスープを売りにしている新店のスープとは出来映えに雲泥の差がある。これこそ濃厚家系というべき堂々たるスープだ。
そしてこのスープに絡む硬くて太い長多屋の麺は程良い茹で上がりであり、ポキポキとした食感を十分に残しつつも粉なっぽさが全くないという絶妙な加減だ。添え付けのチャーシューは以前と同様に仄かにスモーク臭がして食欲をそそる。味付けは濃くもなく薄くもない中庸を行き、そして肉の風味と歯触りも良好だが柔らかいといった出来映えは秀逸。
味玉は濃い目の塩分ながらとろりとした凝固度合いは相変わらず良い出来。取り放題の茹でたもやしを適宜添加しながら麺と共に啜るとしゃっきりとした感触ともっちりとした食感が同時に味わえて面白い。ほうれん草はギュッと絞ってはあるがフレッシュな青臭さが残されていてこれまた秀逸。水分が絞り出されたほうれん草が濃厚スープを吸って麺と共に美味しく食べることが出来るのは新発見。
逆に、これを絞らずに丼にトッピングすると残留水分でスープが薄まってしまうのであろう。今回初めて頼んだネギチャーシュー丼は、ご飯の量的には少ないが切れ端のチャーシューが山盛りにトッピングされており、この刻みチャーシューのスモーク臭が得も言われぬ旨味と風味を纏っていて実に旨い。
スープに浸さないここのチャーシューは、実は炭火焼き鶏のような鄙びた旨さが満ち溢れているのである。このミニサイズのご飯を少し頂きつつ、麺を啜りスープを一口。そして海苔を濃厚スープにくぐらせてからチャーシュー丼に移してご飯とチャーシューを少量巻いて頂く。これ即ち、幸福な気分が味わえないわけはない演出なのであった。
九ツ家 (ここのつや)
横浜市神奈川区六角橋3-18-2
電話: 045-624-8998
営業: 11:00~24:00
定休: 無休
最寄: 東急東横線 白楽8分、東白楽7分
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