蒼ひ@馬車道 |
入ったのは13:00過ぎで、店内は広くはなくてテーブル席だけの構成で24席。先客は3組で我々の後にも客がぞろぞろと入ってきてほぼ満席状態を維持する。「板そば」なる料理はメニューにはあるが割と高価で大掛かりなシステムのようだ。昼時にはリーズナブルなランチセットが数種類設定されているのでその中からチョイスすることに。
家内は「蔵王鴨きざみせいろのランチ」、私は「天丼とおそばのランチ」+蕎麦大盛りをチョイスした。
家内が頼んだ蔵王鴨~というのは、要するに鴨せいろ蕎麦で、それに余った出汁をかけてお茶漬けに出来るよう米飯がセットされたもの、私の方は、いわゆる丼+盛り蕎麦という良くある組み合わせのセットだ。
待つこと暫し、両方のセットがサーブされた。予測通り、ご飯がセットされていることから蕎麦の量はごく少ない。私は大盛りで頼んでいたがそれでも普通の蕎麦店で供される普通盛りの量に比べて三割方少ない感じだ。
家内の蔵王鴨の出汁は滋味が深くて旨味十分の美味しいもので、そこに硬くて歯応えのする蕎麦を浸して啜ると至極美味しいのだ。
そして、通常は刻み葱とともに山葵が供されるところ、このセットには柚子胡椒が添えられており、柑橘系のフローラルな風味が鴨脂のしつこさを幾分か緩和してくれる効果は面白いし、なかなかに凝った演出と思う。私の方は蕎麦猪口に汁を適量移して食べる普通の盛り蕎麦であり、昆布と椎茸から取ったこの店の蕎麦つゆの味がダイレクトに味わえる定番的な品物だ。
鴨の汁も盛り蕎麦の汁も塩分は多めで、醤油のエッジがかなり効いている。もう少しひねた円やかな醤油を使用すれば品位が数段上がると思われるのがちょっと心残りなところではあるが、これはこれで東京下町で一般的に見られる濃い目の出汁の味付け設定であって、特段に劣るところではない。
私のセットに合わさっている天丼は小振りの椀に少量の粘りけある白米を盛り、そこに揚げたての中型海老、柔らかい烏賊、茄子、そして香り立つ筍の穂先が添えられたなかなかバランスの取れた一品だ。この丼の完成度は素晴らしくて、料理人の良い腕とセンスがうかがい知れるもの。天つゆの添加は少なめで、途中、蕎麦つゆを含ませた蕎麦から適量、湿気を供給して掻き込む。
これまたおつな味の変化が楽しめてよろしい。蕎麦の方は更級粉が主体で、ここに黒い斑点(恐らくは少しの三番粉(藪粉)か、へぎそばのような海藻か・・)が入り、そして上質な小麦粉を配合した二八であろう。十割ほどの腰はないにせよそこそこの風味とかっちりとした喉越しを両立していてよろしい。全般的には高水準で隙のない蕎麦ランチセットと言える。
この辺でこの価格帯で勝負するには上等な部類と思う。今度は是非ゆっくり、各種オプションを装備した本格的な板そばを試してみたいものだ。
板そば 蒼ひ(いたそば あおい)
横浜市中区相生町4-66 第15須賀ビル1F
電話: 045-212-1138
営業: 月~土、祝:11:30~14:30、17:30~23:00
日・連休最終:11:30~15:00、17:00~22:00
定休: 不定休(主に第2日曜)
※日・祝の連休は日曜営業、翌祝日は休業
最寄: みなとみらい線馬車道3分、
市営BL関内4分、JR関内5分
1日1回、ここをポチっとクリック ! お願いします。
♪ よい音楽を聴きましょう ♫
日曜日のランチタイム、横浜の関内エリアでお昼ご飯を食べようとお店を探していると一軒の蕎麦屋を発見。 関内エリアはお昼時に空いているお店が意外と少なく、他にお店も見つかり ...... more