黒船亭@上野 |
ボストン美術館(Museum of Fine Arts, Boston)は前職でシステム関係の仕事をしている時に出張のついでに訪れ、収蔵されている日本から渡った美術品の夥しさ、国宝級の素晴らしさに驚いたもの。
マサチューセッツ出張当時、本家のMFAでたまたま常設展示されていたものが今回またやってくるというので再会を果たすべく観に行ってきたという次第。数々の仏像や仏画、尾形光琳の松島図、曾我蕭白の雲龍図などを眺めていると頭の記憶域から掘り起こされた感動とともに、当時の出来事や従事していた仕事の様子などが断片的に蘇ってくる。成田からローガン空港までのJAL直行便も復活したことで今後再びMFAを訪れる機会はあるかも知れない。しかし、或いは上野でのこの邂逅が人生最後となってしまうかも知れないと思うとちょっと感傷的な気分となる。尚、今回の展覧会にはMFAの日本美術作品コレクションのもう一つの柱である浮世絵は来ていなかったのがちょっと残念。
鑑賞の前に腹ごしらえをしたのが上野の老舗洋食では有名な黒船亭。前からここ(角のマックの隣に建つ自社ビル=キクヤ・ビル)にあることは知っていたが、今回初めて入る。エレベータで4階まで上ると入口前の待ち椅子に10人ほどが腰掛けている。つまり満員である。待つこと30分ほど、広くて見晴らしの良い店内に通された。
ここからはアブアブ交差点が一望だし、奥の方にはスカイツリーもはっきりと見える。オーダーしたのは、家内はハンバーグ+Bセット(サラダ+ライス or パン+デザート+珈琲 or 紅茶)、私はB弁当(サラダ+スープ+和風ハンバーグ+タン・シチュー+オムレツ+蟹 or 海老コロッケ+ライス)という店の売りをワンプレートにしたランチだ。
家内のハンバーグは割と硬めに捏ね上げられており、しっかりと火が入った昭和中期風のもの。別に供されるグレイビーボートのデミグラスまたは醤油ベースの特製ソースをかけて頂く。塩分濃度は割と強いが旨味もコクも深い。
B弁当の和風ハンバーグは茸と野菜で煮付けた醤油風味の餡がかけられたもので、こちらの塩分も強めだが、牛肉の風味は殺されていない。
タン・シチューはトロトロに煮上がってはいるけれども程良く繊維質も残されていて絶妙な仕上がり。だが、こちらの塩分も強め。好き嫌いはあるにせよ昭和の良き時代のはっきりとした味付けは懐かしいものだ。
値段はそれなりに張るし、味付けも濃い目であって、今の時代にマッチするかと言われると少々微妙なところではある。
が、やはり上野といえば黒船亭だろう、という一種のランドマーク的に希少価値のある店と言える。今度来る時には絶品といわれるビーフシチュー、単品のハヤシライスやオムライスも試してみたい。
黒船亭
東京都台東区上野2-13-13 キクヤビル4F
電話: 03-3837-1617
営業: 11:30~22:45(LO:22:00)
定休: 無休(1月1日は休み)
最寄: 京成 上野2分、銀座線 上野広小路3分、
JR 上野(不忍口)5分
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