三ツ矢堂製麺@伊勢佐木町 |
さて、日曜の午後は生憎の小雨模様だったがイセザキモールはまずまずの人出であった。時刻は14:00くらいだったが先客は僅かに一組、子連れ4人組だった。まだ小さな下の子供がギャーギャーと甲高い声を上げてむずかっているが親は素知らぬ顔でつけ麺を食べていた。券売機で買ったのはラーメン780円+味玉100円。通されたのはガラス張りの製麺室の目の前のカウンタだ。
腰掛けるやいなや、やってきた女性スタッフの第一声が「紙エプロンお使いになりますか?」だった。次いで、麺の量は普通盛りと中盛りが選べるとのことで、ちょっとお腹が空いていたので中盛りでお願いした。相変わらずの画一的対応ではあるが教育が行き届いているとの見方もできる。店内を見渡すと奥の方まで客席が作ってあり意外に収容人員は多そうだ。この場所柄から昼時には満杯になるのかも知れない。奥の厨房はクローズドで中の様子は窺い知れない。しかし、目の前の製麺室は実際に使われており、待っている間も若い男性スタッフが小麦を懸命に捏ねていた。自家製麺を謳う看板に偽りはない。
待つこと暫し、ラーメンが熱々でサーブされた。盛り付けは丁寧、見た目には綺麗な出(い)で立ちで美味しそうだ。
スープを啜る。想像を裏切らない典型的な、いや、今となっては凡庸とも思える動物+魚介のダブルである。粘性が僅かに強く、ベジポタなのかも知れない。
動物のベースは割とコクが強くて旨味成分をしっかりと湛えているし、節系を中心とした魚介エキスも動物系に離反することなくちゃんと調和して溶け込んでいる。立ち上る香り、鼻に抜ける風味共に良好である。軽くウェーブが付いたストレート麺は自家製麺・機械切りで四角い断面をしている。中間の加水率であって、過度なプニプニ感、暴力的なガシガシ感ともに感じられない。
即ち、滑らかで肌理が細かく穏健でなかなか美味しい繊細な仕上げの麺ということ。少し粘度があるスープとの相性は良好。
トッピングだが、歯触り・香りとも良好な太目のメンマが数本、チャーシューは割と厚手のしっかりとしたバラ部位のものが一枚で、豚本来の風味が保たれ、これをスポイルしない上品な味付けが秀逸。
肉を噛み締める愉悦と、ホロホロと口の中で脂がほどける感覚が両方共に味わえる。
あとは小型の海苔1枚に鳴門、刻み葱が少々、追加オーダーの味玉だ。味玉は地味な見栄えながら塩分濃度、凝固度合い共に良好で、スープの塩分濃度とはベストマッチであり、卵黄の味・香りがマスキングされずにしっかりと伝わってくる。
フランチャイズである、という一点に目を瞑るならば、これはとても良くできた優秀なラーメンだ。スープ、麺、具材、調理方法ともにどこにも欠点がないのだ。その代わりに傑出した特徴や強点もないのであるが、そうは言ったってこの価格でこの繊細に整った美味しいラーメンが安定供給できているというのが率直に素晴らしいことだと思う。特に、セントラルキッチン方式で仕込まれたと思われるスープは非常に完成度が高い。
各地の名店で苦労して修行したすえ、念願の独立を果たしたという個人経営の美味しいラーメン屋があって評判通りに繁盛する。かたや、こうした街角の一介のフランチャイズ店で美味しいラーメンを、前者と殆ど同じ価格帯で手軽に食べることができる。両者の経営方針、即ちターゲットとするマーケットやその規模、これに伴う商品戦略、立脚する要素技術やサプライチェーンはことごとく違うものだ。だが、両者から出てくるラーメンのクォリティは、というと目くじらを立てない限り大きな差はない。こういったレベルのマス・プロダクションにより生み出されるラーメンというプロダクトは、専門店の拘りの主人が創り出すラーメンという”作品”とはプレゼンス(フレーバー)は異なるものだ。要は、この”プレゼンス”をいわば具材の一つとして必須と考えるかどうか、という、個としての消費者選好に委ねられる、と換言できよう。卑近な問い掛けをする。同一グレードのメルセデスとレクサス、あなたはどちらを選好するのか?
三ツ矢堂製麺 伊勢佐木モール店
横浜市中区伊勢佐木町2-76 キヨビル1F
電話: 045-328-6303
営業: 11:00~翌4:00
定休: 年始
最寄: JR、市営BL 関内 5分
店HP: http://idc-inc.jp/index.html
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2012.2.25 2月22日にオープンした三ツ矢堂製麺の伊勢佐木モール店に行ってみました。 つけ麺専門てでっかく看板に書いてあった気もするけど〜 つけめんは大船店で食べたことがあるんでここはらーめんを頂くことに。 麺量は並か中を選べるってことで300gの中でお願いしま...... more