Mahler: Sym#2@Haitink/CSO |
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マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』
ミア・パーション(ソプラノ)
クリスティアーネ・ストーティン(メゾ・ソプラノ)
シカゴ交響合唱団
デュアイン・ウルフ(合唱指揮)
シカゴ交響楽団
ベルナルド・ハイティンク(指揮)
ハイティンクはモデレートな気質とレイショナルな音楽解釈で知られている現代を代表する指揮者の一人だ。しかし齢も相当に重ねていることから後どれくらい前線で活躍できるかは微妙な線だ。だが、この年齢にしてこのマラ2の出来映えであり、これは賛辞を送らざるを得ない快挙と言えよう。ここまでマーラー・シンフォニー系列はこの新譜も含めて3枚録音したが、年齢的なことを考慮するとチクルス化して完成を見るのは難しそうで、それはそれで残念なことではある。
まず、どっしりと揺るぎのない第一楽章全体の構図が野太く、そして静的でありながら躍動的でもある巧妙な中間部が圧巻で、そして息つく暇もなく濃密に終盤へ向かう様はハイティンクならではのバランス感覚、そして自信に満ち溢れたバトン捌きである。
緩徐楽章の歌わせ方はまさにレイショナルであって過度な演出も感情表出も、そして暴れも遊びもなく素晴らしい。ありがちな拡大ダイナミック路線とは一線を画し、連続する長いピアニッシモに至ってもディテールの描き込みに手抜かりはなく、しっかりと楽器を鳴らし切る姿勢はいつものハイティンク流。
コントラルト独唱を担うストーティンの切々たる吟誦は昨今の復活では特筆して巧く、そして空間を突き抜けて聴衆へ向かうビームの強さと図太さがもたらす訴求力は尋常ではない。その美しいコントラルトを更に際立たせるようにゆったり深々と重層化された背景を構築するハイティンクの理性には脱帽する。楽器間の音量、強弱方向のミクスチュア、旋律進行における滑らかなテンポ取りなど、オケは高度で綺麗な均整をずっと維持しており、操縦術といった点においてハイティンクのバランス感覚が傑出していることを改めて証明している。
この音のミルフィーユはフィナーレに突入すると更にシフォンとメレンゲをまといつつ極上のサウンドステージへと進化し、えも言われぬ深遠な感動を呼び起こすのである。コーダが鳴り止んでもまだ音粒たちが脳内を充填し続けるのであった。
(録音評)
CSO Resoundレーベル、CSOR901916、SACDハイブリッド、録音は2008年11月20、21、22、25日、CSOの本拠、シカゴ・シンフォニーセンターのオーケストラ・ホールでの収録。担当は恒例によりジェイムズ・マリンソンのプロデュースでClassic Sound Ltd.、エンジニアはクリストファー・ウィリスとクレジットされている。非常にハイレベルな争いとなってきている現代クラシック録音の中にあっても更にその最右翼に位置付けることの出来る数少ないパフォーマンスであり、音像定位の明確さ、構築されるサウンドステージの広大さ、超微粒子のディテールとプレゼンス、そして臨場感と、どのファクターを見ても欠点は見当たらない。
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