Dvorák: Vc-Con, Dumky@Queyras, Belohlávek/Prague PO |
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ドヴォルザーク:
・チェロ協奏曲ロ短調Op.104
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
プラハ・フィルハーモニア
イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮)
・ピアノ三重奏曲第4番ホ短調Op.90『ドゥムキー』
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
Vcコンの方は清冽で伸びやかなメロディ・ラインが全楽章で一貫しており、現代的でクールな演奏だ。深刻で重量感のある従来からのヴィルトゥオーゾ路線とは一線を画した爽やかさが特徴で、ケラスの現代的芸風をよく表していると思う。オケはかつてファウスト/ベトVnコンと同じでこちらも軽量かつハイスピードなアシストが爽やか。1st vnが4プルト、2nd vnが3プルトという古典派オケとほぼ同等の小規模配列ながら思いのほか音量は多めでそんなに小さなオケとは思われない演奏だ。
ドゥムキーの方は一転して深い描き込みとダイナミックな量感でゆったりと展開される渾身の出来映えだ。低音弦から高音弦まで満遍なくブロードに楽器を鳴らす技術はさすがと言わざるを得ない。特に高音域の美しさは昨今のVcソリストでは群を抜いているのではないだろうか。もう一人ソリストとして参加しているイザベル・ファウストのVnとの和声は音色的にも音程的にも綺麗に揃っていてほぼ完璧な出来。あまりに美しいハーモニーなので思わず唸ってしまった。メルニコフのPは硬質でドライ、そして極めて精緻な弾きっぷりで素晴らしい。3人の集中力が最初から最後までピンと張りつめて弛緩せず、終始息がぴったり合った状態を維持している。重厚だがハイスピードでクールなこの現代的ドゥムキーは、新スタンダードとして常備するに相応しい演奏といえる。
(録音評)
Harmonia Mundi、HMX2901867、通常CD。録音は少々古くて2004年。音質は典型的な仏Harmonia Mundiのもので無彩色・無着色、そして透過度の高い仕上がりだ。Vcコンの方はプラハ、ルドルフィヌム(ホール)での録音でサウンドステージの奥行き感が豊か、ドゥムキーはテルデック・スタジオでの録音で非常に高い解像度で描かれている。音質は後者の方が圧倒的に良好。ハルモニアムンディはUSAの方のSACDであれフランス本社の通常CDであれ、とても安定した音質だ。
どうも、同じ内容がSACDハイブリッドで出ているようだが、これは通常CD。ちょっと残念。
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この協奏曲の通常CD、プラケース版ですが、良い音だなあ良い音楽だなあと楽しんでましたが、唯一不満のデジパックでないことwを解消しようと某店で見つけたデジパックの中古CDを見たらSACDではないですか。即ゲットして比べてみると、マスター様の「通常CD、ちょっと残念」がまさにその通りでSACDが特に空間の表現が素晴らしく、比較すると・・・なのです。私の好みとしてはちょっとの差ですが、やはりSACDだなあと当たり前の感想wで申し訳ありません。ご報告まで。